2003年02月19日

黄昏の岸 暁の天


黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 文庫


泰王となった驍宗は半年の間に想像を超える早さで戴国を再興しつつあったが、内乱鎮圧のため文州に赴き行方が知れなくなった。 不安がる泰麒は信頼していた阿選によって泰王の悲報を伝えられ、衝撃のあまり鳴蝕を起こし姿を消した。王と麒麟双方の行方が知れないまま偽王阿選がたち、 荒れゆく戴国に助力を得るため、将軍李斎は命がけで景王陽子に会いに行く。

『風の海〜』の続きとなるストーリーだが、胎果として蓬莱に流されてのち泰麒として迎えられた高里が、自ら起こした蝕によって再び飛ばされた蓬莱で、 『魔性の子』として疎まれながら育つ一方、偽王のたった戴国を何とかしなければと陽子たちが起つ、波乱含みの物語。
たとえ援助のためでも他国に軍を送ることは天命にそむく罪、けれど滅ぶに任せて放ってはおけないという陽子のありようが、 それまで他国には干渉しなかったほかの国々の王たちをも動かしていく。そこには右も左もわからず萎縮していた陽子の姿はなく、威厳さえみなぎらせた景王がいる。
けれど景王はおごらない。
自分の治世が永遠に続くとは限らないと思い、王なく荒れた戴国に、将来の慶国の姿を重ねて見ている。
こういうのが賢王としての資質なのだろうな。
片腕を失った李斎と、角を失った泰麒、彼らが向かう戴国はこれからどうなっていくのだろう?
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2003年02月07日

風の万里 黎明の空


風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/07/18
  • メディア: 文庫


ストーリーとしては『月の影 影の海』の続きとなる物語。
景王の座に着いたものの自分の王としての力量不足を痛感した陽子は、景麒に全権を委任し、しばらく里家の者として遠甫のもとで暮らし始める。
父王を討たれ、人々の憎悪を受けつつ景王をうらやみ妬む芳国公主・祥瓊と、海客から仙となったが日々の辛さに同じ海客である景王に憧れる鈴、 そして陽子が出会い、人民を苦しめる慶国の止水郷長・昇鉱と呀峰を討つ一派とともに戦う。
同じ年頃の3少女が、それぞれの立場で悩み苦しみ、学び、自分を奮い立たせ、目標を一にしていくという、ひとつの大きな山場を迎える展開。

わがままな子供だった少女達が試練を越え、信頼と自信を勝ち取っていく様子は、読んでいる方も胸が熱くなる。そして、 なんと言っても覇気を備えた陽子のかっこいいこと!よくぞここまで成長してくれたことよと思い、ひとまず胸をなでおろした章だった。 さて続きはどうなるのか?楽しみ〜
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2003年02月03日

風の海 迷宮の岸


風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/03/11
  • メディア: 文庫


以前読んだ『魔性の子』は、この作品の番外編ということだったらしい。

主人公は泰麒。蝕によって流され蓬莱で育った高里少年は、泰麒として迎えられ、なぜ自分が家族にも友達にもなじめず居場所のない思いをしていたのかを知る。 しかし蓬莱で10年もの間過ごした泰麒は、麒麟として転変することもできず、周囲の期待に応えられない自分が情けなく、何事にも自信が持てない。
自分はダメな子なんだと思い続けて生きてきた10歳の子が、自分ではなく生まれのせいだったんだと救われる思いになり、それでも親は恋しい。 せめて良くしてくれる女仙たちの期待に応えたいと思うけれど、それさえ叶わない。やっぱり自分はダメなんだ・・・泰麒の葛藤が、痛いほど伝わってくる。 10歳の子には重過ぎるほどの孤独と使命だろうに。
それでも少しずつ麒麟としての本性にめざめ、紆余曲折がありながらも、やがて戴国の王を選ぶという使命を果たした泰麒の成長に、胸をなでおろした。

泰麒の成長に一役買った景麒だが、実はかなりお気に入り。
本当は優しいのにそれを上手に伝えられない不器用さが、なんともほほえましいのだな。
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2003年01月30日

月の影 影の海


月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/06/11
  • メディア: 文庫


読んでみたいなぁと思いながら、元はジュブナイルだから甘々のファンタジーなんじゃないかとも
ちょっと思っていた十二国記に、ついに手をつけてしまった。 シリーズだから最初からと思ったが、どうやら出版順が作品世界内の年代順というわけではなく、 それぞれ主人公のいる半分独立した物語のようなので、これなら順を追わなくても楽しめそう。手当たりしだい、読むことにしよう。

この巻は、家族やクラスメイトに気を使い、化け物に追いかけられる悪夢に悩まされ続けながら女子高に通う中嶋陽子が、ある日突然現れた奇妙な若い男と獣のようなものたちに、 十二国の世界へ連れて行かれるところから始まる。事情が全くわからないままたどりついた巧国から、自分のものだと渡された刀だけを頼りに妖魔と戦い、 度重なる裏切りに心もすさみ孤独な旅を続ける陽子。
やっと手を差し伸べてくれる人が現れたかと思えば、実は売り飛ばしたり盗んだり。
なんで自分がこんな目に遭わなければならないのか、 運命をうらんだり呪ったりしたことだろう。
けれど心を許せる半獣の楽俊に出会い、ふわふわした女子高生だった陽子は生きる自信と強さを身につけていき、やがては景王として自分の運命を受け入れることになる。

一応十二国の大まかな地図はあるものの、まだこれがどんな世界なのか見えてきたばかり。
陽子も運命とはいえ、よそ者が大国の王に大抜擢という状況で、 これからどうなっていくのか楽しみでもあり、不安でもある。
甘々のファンタジーどころか、壮大なスケールと細やかな心理描写で、ますます先が楽しみだ。
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