
わたしの知る花 - 町田そのこ
いつだって町田そのこには泣かされるがこれはまた、限りある生が愛おしく思え、温かいもの包まれていくような物語だった。
ひとりの老人と女子高生の出会いが発端となって、かけがえのない繋がりが、見つけられ、紡がれていく。
平という人の人生を思う。
優しさは弱さでもあり、強さは傲慢にもつながる。
幸せや正しいことの定義は時代や環境でいくらでも変わるし、何をしてもしなくても後悔は付いて回るし、もしもあの時を言い出せばキリがない。
それでも、長い年月をかけて戻るべき人の元へ、そして図らずも想いを継ぐ者が、自分の生きた道を読み解こうとしてくれるのなら。
上出来だと思えたのじゃないだろうか。
ヘンコツじいさんが、実はみんないい人でね。
悦子おばあちゃんも、たくましくて格好いい。
安寿と奏斗に受け継がれたものが、大きくしなやかに育ちますように。
願うように思った。

