
夜明けのはざま - 町田そのこ, yasuo−range
泣かずに町田そのこを読み切れたことがない。
感情移入しすぎるせいか、突き放して感想を残すこともできなくて、町田作品はいつも読みっぱなし。
だから今回はがんばってみた。
家族葬専門の葬儀社を軸に、そこに関わる人たちの、仕事や家族観、生きて死ぬことへの様々な思いが交錯する物語。
家族だとて、結婚したとて価値観が違うことはありがちだが、妻や女性を対等の人と思わない夫や家族がとてもリアルに感じられてきつかった。
話の通じない関係、でもそれなりにやり過ごせてしまう。
日常で戦い続けることは難しいから、それを良し悪しとは決めつけられない。
そんな中、佐久間の葛藤が一番印象的でした。
失うものの大きさと痛みを知っていてもなお、自分を貫く強さ。
思い通りになることなんて少ないし、帳尻も合うとは限らない。
それでもいつか迎える死には敬虔に、今は少しばかりの勇気で歩んでいこうとする彼女たちに、強い共感を覚えました。

