
ははのれんあい - 窪 美澄
じれったいほど穏やかで、でも芯の通った愛情あふれる家族の物語。
生きていくうちには、仕方が無いと思うしかないことが時々起こる。
真面目に働いていても社会情勢が変わって立ちゆかなくなったり、個々の願いが家族の幸せと合わなくなることもある。
家族として過ごす長い年月の間には、心も体もお互いの関係性も変わっていく。
喜ばしい変化だけじゃないかもしれない。
家族というかたちが保てないことが起きるかも知れない。
それでも。
結人が父親の変化に気づいて急に大人びるのが切なかった。
子ども時代の終わりを知らされて、荒れるでもなく切り替えた気持ちを思うと胸が詰まる。
『はは』は、由紀子でもありちはるでもあるんだろう。
わがままな恋と慈しみの愛とで育まれたひとつのカタチ、家族。

