
箸もてば -
毎日食べるふだんのご飯、季節が来ると待ちかねたように食べるあれこれ。
自分と同じ楽しみ方をしていたらそうそうと膝を打ち、知らない食べ方はすぐ試してみたくなる。
何という事のない話なのに、心地よく引き込まれる。
今回とても惹かれたのは、すっぱい話。
つんと来る酸味があまり好きじゃなくて、三杯酢もだしで割って使ったりしていた。
ところが、そそのかされて使ってみた黒酢のなんてまろやかなこと。
作者のような身の丈に合った無駄のない食生活からはほど遠いけれど、自分の味に飽きた時に、いい刺激になるなぁと思う。
食べたいものを、自分で作って食べる。
食べさせたい誰かのことを思って、何を作ろうかと考える。
外で食べたおいしいものを、あれこれ思い出しながら試してみる。
あそこで食べたあれはおいしかったな、あの人の作るあれが好きだった。
本の中身とは関係のない思い出もつるつると湧いてくる。
元気なうちに教わっておきなさいよと言われていた、義母が得意の正月のぼうだら煮。
これは作ってもらうがいいやと思っているうちに、教わる機会を失くしてしまった。
口で憶えた親の味も、たぶん少し変わってうちの味になっていることと思う。
ごはんは毎日のことだからそんなにがんばれない。
それでも、うちのごはんはおいしいと思ってもらいたい。
にんにくたっぷりの白菜鍋、寒い季節にぜひ真似させていただきます。

