2013年07月29日

バスを待って

バスを待って [単行本] / 石田 千 (著); 小学館 (刊)

連れ合いを亡くしたおばあさん、母と娘とその娘、三十路の女性、寄せ好きのおじいさん、年末のカップル、春を待つ浪人生、みどりちゃんちの居候、ときどきはっきりしなくなる祖母と大学生の孫、妹の帯祝を買う姉、寿司職人の叛乱。

子どもからお年寄りまで、様々な年代の人たちがそれぞれ主人公となる、短編集。
誰かを大事におもう気持ちとはねのける気持ち、優しさとつめたさ、愛おしさとわずらわしさ、強さともろさ・・・
ひとの気持ちは相反する間にあって、どちらも本当という気がする。
未婚のまま年を重ねた女性の話はどこか所在なさげで、凛とせざるを得ない緊張感が漂う。
こぼれだす気持ちの揺れがわかるからこそ、ちくちくと痛い。
細やかなのに時おりはっとするほど豪胆なところが、石田さんらしくて好きだ。

この小さなお話がもっとふくらむといいなと思ったのは、春を待つ浪人生の「ビルめぐり」と、ときどきはっきりしなくなる祖母と孫の「らっぱ飲み」
男の人が主人公の話のほうが、突き放した目線のようで新鮮だった。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 石田 千 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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