2013年07月04日

アニバーサリー

アニバーサリー [単行本] / 窪 美澄 (著); 新潮社 (刊)

戦中戦後を生き延び、マタニティスイミングの講師を続けている75歳の晶子と、有名な料理研究家の母のもとを飛び出し、カメラマンの夢半ばに妊娠した真菜。
時代の違うふたりの人生がていねいに描かれ、晶子の強引なまでの厚意がなければすれ違いに過ぎないふたりが震災の日をきっかけに、替え難い存在になっていく。

年配の方はよく「そういう時代だったから」と口にされるが、苦労の多い時代を生き延びてこられたのだなぁと思う。
時代の変化とともに女性のライフスタイルも変わったけれど、子どもを産む側にいることに変わりはない。
そのリスクも喜びも、抱えるのは女性だ。
こういう時代だから、物があふれて便利になっても孤独な時代だから、時にはずかずかとひとのふところに踏み込んでいくくらいの人がいてくれるのは、幸せなことなのかもしれない。

生きてさえいれば、きっと。そういう希望を思う。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 窪 美澄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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