2012年09月16日

残穢

残穢 [単行本] / 小野 不由美 (著); 新潮社 (刊)
残穢 [単行本]

小野 不由美 (著)

新潮社 (刊)




女性読者から届いた「怖い話」を端に、繋がり拡がる因縁の話。

賃貸マンションの一室で聞こえるかすかな物音と気配。
そこから始まった調査は、部屋からマンションへ、やがてその土地へと場所を広げ、時代をさかのぼり、大元となる「本体」にたどりつく。

そもそも実話をもとにした怪談というのは、起きた現象の怖さや気味の悪さ、不思議さに、つかの間ひやっとするところに面白みがあると思っていた。
そこに何らかの原因や理由が提示されると、むしろこじつけめいた感じがして。
でも本書は、いわゆる合理的な説明をとことん探っていく。
あえて怪異に対して懐疑的なアプローチをしているのに、その過程がそのまま、ホラーだ。
重なり過ぎる偶然、連鎖する怪異、血縁はもとより取り壊した建物の建材にさえひそんで飛び火していく事件・・・これが 呪いというものの形かと思わせられる。
作者ご自身のことも含め、まるで本当のことが進行しているようなリアリティさが、寒気に輪をかける。

ひたひたと忍び寄るような怖さの実話怪談、たいへん好みでした。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小野 不由美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック