![みなも [単行本] / 石田 千 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊) みなも [単行本] / 石田 千 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/410oTWxrw3L._SL160_.jpg)
自分のこころや体と向き合うエッセイ。
誰かを想っては思うに任せぬなりゆきに傷つき、やがて立ち直っていくこころ。
静かで古風な物言いとはうらはらに、激しい思いを抱いては、その矛先を自分自身に向けてしまう
、誠実で不器用な人が見えてくる。
傷つきやつれた体でよりそう祖母の晩年は、同じく自分にもふりつもる時間、老いを思う。
老いること=不幸、ではない。
そう思えるのは、より老いに近づいたから。
それでも不幸ではない老いや死に会えたからだろう。
どんなに悔いても幸せでもいま一瞬はどんどん過去になり、同じところにとどまることはできない。
そこにたどり着いたとき、『肩の荷が下りた』という気持ちに共感する。
彼女がそういう気持ちに至ったことにもほっとする。
この人の言葉はとても心を揺るがすんだ。
静かなのに、とても厳しい。

