薄いベージュの各ページ・見開きに、グレイと薄紅のイラストとグレイのテーブルに囲まれた本文が納まっている。 ページをくるごとに一枚の絵を見ているようで、思わず手にとってしまった。
離婚後、もの書きの母と暮らすふたりの息子、一歩と拓二。
夏休みにプロレスラーのビッグ・フットとシルクロードで2週間を過ごすというテレビの企画に応募した中2の一歩が、オーディションを受けることになったというイベントを軸に、女たちの21世紀への展望をテーマとした原稿に取り組む母や、周囲の人々との関わりを描く。
子供を育てながら働く女性というのは、みんな痛みを抱えているなぁと思う。
優しくなれなかったり、手をかけてやれないことで、子供に負い目を感じてしまうのは、よく分かる。
けれど、「母親が手を出してしまう多くは、自分の苦痛をなくすためだと気付いた」という言葉にハッとする。
遅いのも、片付かないのも、情けないのも我慢して、自分でやらせなければいけないのだ。
頭ではわかっちゃいるんだけどね…
ちくちくと心を痛めながら距離をおく母、その母の遅い帰りを、電灯を灯すことで迎える息子達。
思いやりと信頼に包まれた、いい家族だな。
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