2002年06月04日

名残りのコスモス


名残りのコスモス

名残りのコスモス

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1992/09
  • メディア: 新書


『名残りのコスモス』 夏休みに立ち寄った、母親の学生時代の同級生親子。盛り上がる母親達の横で、変に意識してしまって一言も話のできなかった5年生のぼくと 4年生の薫。
照れ隠しにやたらはしゃいでみたり、知らん顔してみたり、そして話せなかったことを後でこっそり後悔する場景が目に浮かぶようで、とてもほほえましい。
『マジ』 兄のように優秀でなく、通学用の自転車も盗まれた栄二と、わかりやすい山下、成績が良くてそれだけで信用があるが実は家庭に事情のある高橋。  時代が平成に変わった日に集まった三人。
変に親を意識したり、兄弟との確執があったり、それぞれの道を歩み始めた少年達それぞれの思いがつづられる。

どこにでもありそうな家庭の風景、大きな事件も何もない日常の中で、誰でも小さな喜びや痛み・せつなさを抱え、心の揺らがせているんだな、 生きるってそういうことなんだなぁと思う、他7編。
干刈さん最後の作品集。

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2002年02月14日

ビッグフットの大きな靴


ビッグ・フットの大きな靴

ビッグ・フットの大きな靴

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1987/01
  • メディア: 単行本



薄いベージュの各ページ・見開きに、グレイと薄紅のイラストとグレイのテーブルに囲まれた本文が納まっている。 ページをくるごとに一枚の絵を見ているようで、思わず手にとってしまった。
離婚後、もの書きの母と暮らすふたりの息子、一歩と拓二。
夏休みにプロレスラーのビッグ・フットとシルクロードで2週間を過ごすというテレビの企画に応募した中2の一歩が、オーディションを受けることになったというイベントを軸に、女たちの21世紀への展望をテーマとした原稿に取り組む母や、周囲の人々との関わりを描く。
子供を育てながら働く女性というのは、みんな痛みを抱えているなぁと思う。
優しくなれなかったり、手をかけてやれないことで、子供に負い目を感じてしまうのは、よく分かる。 
けれど、「母親が手を出してしまう多くは、自分の苦痛をなくすためだと気付いた」という言葉にハッとする。 
遅いのも、片付かないのも、情けないのも我慢して、自分でやらせなければいけないのだ。
頭ではわかっちゃいるんだけどね…
ちくちくと心を痛めながら距離をおく母、その母の遅い帰りを、電灯を灯すことで迎える息子達。
思いやりと信頼に包まれた、いい家族だな。
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2001年09月04日

しずかにわたすこがねのゆびわ


しずかにわたすこがねのゆびわ (干刈あがたの世界)

しずかにわたすこがねのゆびわ (干刈あがたの世界)

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本



まず、題名に惹かれた。 童唄の一節らしい。
60年代の末、健康薬品会社で働く4人の女性の20代から40代までの、人生それぞれが描かれる、とても濃い小説。
横暴な父の影響から無口で暗いと自覚する芹子、穏やかな家庭に育ち容姿に恵まれながら結婚に踏み切れない百合子、親の勧める見合い結婚で幸せになろうとする梅子、不倫の末知り合った男と結婚し働き続ける葵。
娘から妻に、母に、時には妻の立場を危うくする者だったり。
20年という年月は容姿も含めて全てが変えてゆくが、距離を保ちながらもお互いがSOSのよりどころとなっている女性たちの姿が新鮮。
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2001年07月24日

ウホッホ探検隊


干刈あがたの世界〈2〉ウホッホ探険隊

干刈あがたの世界〈2〉ウホッホ探険隊

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 単行本



15年間の結婚生活の後離婚した母親と小学生の二人の息子、父親としては関わる夫。
お互いが気を使いあい、新しい家族の形をさぐる様は、探検隊ようだという息子。
親子でありながら、上下ない同志としての母と息子の会話が絶妙。
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2001年05月31日

十一歳の自転車


十一歳の自転車―物は物にして物にあらず物語 (集英社文庫)

十一歳の自転車―物は物にして物にあらず物語 (集英社文庫)

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/07
  • メディア: 文庫



物は物にして物にあらず物語≠ニいう副題のとおり、自転車や傘、時計といった「物」を通して描かれる、普通の人たちの日常や人生。
作者の暖かい視線にくるまれて淡々と映し出される情景は、どこか懐かしかったり、ほほえましかったりします。
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2000年11月30日

黄色い髪


干刈あがたの世界〈6〉黄色い髪

干刈あがたの世界〈6〉黄色い髪

  • 作者: 干刈 あがた
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本



「黄色い髪」にしたのは、学校に疑問を持ち、通うことをやめた14歳の少女夏実。
美容院をやりながら、「普通の子」でなくなっていく娘を、とまどい悩みながらも正面から受け止めようとする母。
どうしたいか、どうするべきなのかを自分で選び取っていく親子のたくましさに打たれる。
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