2010年01月26日
吉祥寺の朝比奈くん
表題作は子どもが関わるので、すんなり良かったとも言い切れないのだけど、他の4編はちょっと謎ありのコミカルな青春物で楽しかった。
至高の恋愛小説と帯はうたうけれど、そんな大そうなものじゃなくて。
恋愛一歩手前ぐらいのほのかな思いが、くすぐったくて、ちょっと幸せ。
一篇を読み終わるごとに、ニヤついていることに気づく。
小山内さんの「三角形はこわさないでおく」
たぶんこの距離感が好きなんだ。
それにしてもこの人の文章は、なんて心地良いんだろう。
きっと、何をどう書いても好きになる気がする。
彼が誰でも関係ないねー
2009年03月29日
百瀬、こっちを向いて
アンソロジー『I LOVE YOU 』に収められていた表題の感触が良くて、どんな作家さんなんだろう?と思っていたら、乙一氏なんだそう。
教えていただいた表題を含む4編からなる本書は、なるほど素朴な恋あり、ちょっと謎ありで、せつない系と称される乙一氏らしかった。
考えてみればこれらは、まるで少女漫画のシチュエーションだ。
地味男の恋と葛藤、眠り姫の目覚めを待ち続けるゆるぎない恋、教師とのあいだにある秘密、美人が出会う本当の恋・・・
でもそれが決して浮つかず、夢物語に感じられないのは、やはり登場人物の魅力かなぁ
地味で淡々として言葉少なくじれったい彼らが、とてもいとおしい。
『なみうちぎわ』『百瀬〜』が、特に良かった。



