2016年05月27日

 臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族

臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族 (講談社タイガ) -
臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族 (講談社タイガ) -

一族のみが周囲との関わりを絶った村で暮らす文渡家。
その一族の一員である学友に、弟の死について唯花の協力を依頼された晴彦。
誰が嘘をついているのか、真偽と虚実を見抜く唯花を伴い向かった先で、解き明かされるのは・・・というとても読みやすいまほろ本。
もっとも最近はクセの少ない作品も多くなってますが。
人の喋った言葉の真偽とウソホントを判別できてしまう「障害」を持つ、院生の本多唯花が主人公のシリーズです。

犯人捜しが目的ではない、とはいえ、嘘か本当かを突き詰めれば自然と犯人もわかるというもの。
しかし解き明かされたのは、そんな単純なことではなかったんですねぇ
善悪の観点からすればいびつな形での幕引きではありますが、『人を家畜にする』すなわち最大悪、というのがまほろ節。
唯花と晴彦コンビの今後も楽しみです。
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2014年10月22日

 その孤島の名は、虚

その孤島の名は、虚 (角川書店単行本) -
その孤島の名は、虚 (角川書店単行本) -

吉祥寺南高校・吹奏楽部の部員たちが、音楽室ごと異界の奇妙な島に飛ばされた。
特殊なルールがある島の謎を探り、生き残るための闘いが始まる。

うわ。なるほど「LOST」だわーと思ったことでした。
数学苦手なので頭を使いましたねぇ。
ラピュタの演奏あたりは青春!という感じで良かった。
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2014年02月28日

 セーラー服とシャーロキエンヌ

セーラー服とシャーロキエンヌ  穴井戸栄子の華麗なる事件簿 [単行本] / 古野 まほろ (著); 九条 キヨ (イラスト); KADOKAWA/角川書店 (刊)

まほろの妹がまだ聖アリスガワ女学校に入学していないので、時系列では先出のセーラー服シリーズより前の物語。
ではあるけれど、そんなことは全く関係なく。

ジョバンニ司祭との連名で探偵事務所をひらく栄子のもとに持ち込まれた、4つの事件簿。
子どもの頃読んだきりなのに忘れられない謎解きを思い出して、懐かしかったー
そこに三河愛と下僕まほろとの師弟愛がまぶされて、原典とは似ても似つかぬ仕上がりです。
そもそも栄子さん、推理してませんからね。勘だけですから。
周囲を眩惑のうちに言いくるめ、尻ぬぐいはすべて下僕の仕事。
好みは分かれるでしょうが、そのへんの掛け合いも私は楽しめた。
いずれにしろ恐るべきは・・・裏で糸も引かず利を得る鬼顧問、ですなぁ
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2013年04月10日

天帝のやどりなれ華館

天帝のやどりなれ華館 [単行本] / 古野 まほろ (著); 幻冬舎 (刊)

今回の舞台は東京駅に隣接するホテル。
感染と殺人者、ウイルスともどもせん滅作戦までのタイムリミットという緊迫感の中、柏木たちの推理が展開される。

ぐだぐだうじうじのまほろがいないので、何というか物語がスピーディ。
冷血、人格障害と言われようが、やっぱり柏木は良いねぇ
まほろがいなくても、探偵劇成り立ってるし。
他シリーズとリンクしたり意味深なネーミングがあったりと、あちこち気を取られる部分があるものの、密室では探偵が、野では人外が、友情のために闘う物語でもありました。

政治的なかけひきやドンパチをになう人たちにもスーパーな人たちがてんこ盛りで、まぁ何にせよ、ドラマチックで派手です。
好々爺然とした宇頭大将と、修野家執事さんがカッコよかった。

時系列的には、『果実』と『御矢』の間の物語だそうで。
そこに割り込ませる何らかの意味があるのか、単なるスピンオフなのか。
探偵劇はそれとして、天帝の祭具がらみでは他作品とリンクしていたり、今さらながら天帝の祭具って何なのさ?ということで『果実』から読み直してみたい気もするのだけど・・・
アレを最初からまた読むのはキツイなぁと思っていたら、文庫版は新訳ということでずいぶん読みやすくなっているらしい。
それに設定もずいぶん変わっているとか・・・読んでみたいなぁ。
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2013年01月29日

セーラー服と黙示録

セーラー服と黙示録 [単行本] / 古野 まほろ (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)
セーラー服と黙示録 [単行本]

古野 まほろ (著)

角川書店(角川グループパブリッシン...




三河湾内の人工島に位置しながら、ヴァチカン市国の主権が及ぶ全寮制の聖アリスガワ女学院。
カトリック系でありながら探偵養成学校という成り立ちの女学院で、卒業を前に首席次席のみに許され、過去に合格者のいない「特別試験」が行なわれた。
試験の結末を見届けた2年生3人組の謎解きが始まる。

おおこれは、新しい舞台ですね!
しかも3人娘のひとりは、「どうしようもなく駄目な」兄を持つという古野みづき。
つまりは彼の妹?っていたんでしたっけ?ダメダメな兄を思いだして、ちょっとニヤリです。

ある密室殺人事件の「誰が、なぜ、どうやって」という謎解きを、探偵学校の優秀な生徒3人が、それぞれが得意な分野を受け持ち、解き明かしていきます。
大がかりなハウダニットもおもしろかったのだけど、一番の謎である動機解明がフーダニットを導き、さらにこの学校の根幹にかかわる秘密をも暴いていく・・・これぞ探偵小説の醍醐味。

そして探偵役3人娘に加え、異端のジョバンニ、ルチア修道女と、共演者がすべて濃い。
続編、もしくは他の作品ででも活躍していただきたいなぁ

華美で耽美なファンタジーにして正統。
こうなると、この雰囲気が好きかどうかという点に限られる気がする。
そして好きなんですよ、こういうの。
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2012年09月21日

復活 ポロネーズ第五十六番

復活: ポロネーズ 第五十六番 [単行本] / 古野 まほろ (著); 新潮社 (刊)
復活: ポロネーズ 第五十六番 [単行本]

古野 まほろ (著)

新潮社 (刊)




日本人のみに致命的なダメージを与える日本肺壊死ウイルスの感染爆発により、国としての機能を失った日本は、中華人民共和国の植民地化となっていた。
日本民族と国を滅亡からを救済するため、特殊能力を見込まれたふたりが祖国へ向かう。

今回は珍しく探偵小説ではなかった。
天帝繋がり、ではあるんだよね。
最初、血縁?か誰かの話かと思ったけど、また別の並行世界ということみたい。

スパイ映画的武器や道具を駆使しての逃走劇が、スピード感あっておもしろかった。
最後に本人もダメ出ししているとおり、お気に入りの柏木は出番が少ないし、ホルンもはふうも出てこない。
でも、惚れっぽく直線的な古野はまさにまほろであったし、修野はどこにいてもかわいい魔女。
屍体の山脈を築くのも、かっこいい軍人が出てくるのも、いつものこと。
数理的煙幕をめぐらした語りのおもしろさは相変わらずで、引き込まれる。というか煙に巻かれる。
嘘も大きすぎると真実に見えるっていうヤツか。
しかしこれ、今現在の日中関係を思うと・・・ちょっとひやっとするなぁ

探偵小説ではないけれど、本格探偵小説へのこだわりを織り交ぜずにはいられないらしい。
「真夜中の喇叭」の朝香宮朝香って・・・笑っちゃうねー
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2012年02月20日

絶海ジェイル Kの悲劇'94

絶海ジェイル Kの悲劇’94 [単行本] / 古野まほろ (著); 光文社 (刊)

期待のイエ先輩、再登場。鬼畜でしたなぁ・・・しかし謎解きはかなりおもしろかった。
魂中尉の愛情あふれる手紙が、異質なほど切ない。

すべての行為に無駄のないイエ先輩の祖父。
これをキーに考えると、ここ意味があるんだろうぐらいのことは想像できるけど、解答に結びつく博識もないので、挑戦はスルーしてただなるほどーと楽しんだ。
前回同様のトンデモに類する部分もあるけれど、実例を挙げて予防線を張っているところもニクい。
時系列ではどうなっているのか?だけど、『天帝』とのつながりにもにやり。
るいかはもしかしてあっち繋がり?と想像してみたり。
いろいろからまって、おもしろくなりそう。
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2011年01月30日

群集リドル

群衆リドル Yの悲劇’93 [単行本] / 古野 まほろ (著); 光文社 (刊)

迎賓館パーティへの招待状が届いた浪人生の渡辺夕佳は、恋人のイエ先輩と山深くの館『夢路邸』へと赴いた。
医者、元警察官、雑誌編集者、金融業者、官僚、女子高生・・・謎の招待状で呼び集められた招待客の面々の前に、現れた鬼女。
そして下界から閉ざされた館の中で、マザー・グースに見立てた殺人事件が続く。

密室、見立てと舞台装置はオーソドックスながら犯人の背景が大がかりで、謎解きにとどまらない独特の面白さだった。
あのトリックはちょっと苦笑いものだけど、背後にあの女性がいることを思えばそんなトンデモも、ありかも。
イエ先輩がいいね。彼の過去と今後が明かされることはあるのかな。続編を期待。
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2010年02月08日

探偵小説のためのゴシック「火剋金」


探偵小説のためのゴシック 「火剋金」 (講談社ノベルス)

探偵小説のためのゴシック 「火剋金」 (講談社ノベルス)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/08
  • メディア: 新書


『探偵小説』シリーズ最終章。
神出鬼没の怪盗・黒蜜柑を阻止するため、宝を守る鉄壁の密室で迎え撃つ警察サイド。しかし計画は失敗に終わった。
完全なる防御を破った真相を、コモがロジカルに解き明かす。

密室の謎解きとともに、白面金毛九尾・小諸るいかが「天帝」にも登場するかの人であったこと、外田保丞警部の隠された正体なども明かされ、最終話らしい大団円。
理詰めの謎解きと怨霊調伏という相容れなさそうな要素が融合した、独特のテンポがすっかりクセになってしまい、終わってしまうのがとても残念だけど、新たなシリーズがまた楽しみ。
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2009年10月17日

探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」


探偵小説のためのインヴェンション 「金剋木」 (講談社ノベルス)

探偵小説のためのインヴェンション 「金剋木」 (講談社ノベルス)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/08
  • メディア: 単行本


諾子先輩の暴走運転車に同乗して事故に合い、とある伝染病に罹患し監視されている「兄妹たち」の住む廃校に行き着いた楓、夕子、あかね、るいかの4人。
やむなく滞在を許されたその夜明け、彼ら特有の特殊ルールによる密室で兄妹のひとりが塵と消えた。
犯人を特定するまで人質となったあかねの運命やいかに?の巻。

今回は、めくるめく妄想もかるたもなし。
人ならぬ身ながら人と同じく情にゆれるコモだが、ばばんと提示する推理は本格。
「宇輪山中学校産吸血鬼の特殊ルール」に照らしての謎解き、特に床に刻まれた模様の正体は、なるほど〜だった。
凛としたイメージだった諾子先輩の新たな面も見えて良し。
兄妹たちの名前が難解な一文字で若干区別がつきにくかったが、人に利用され続けた彼らが何やらあわれ。
もともと天帝よりアクが少なく読みやすかったが、シリーズとしてはさらにそういう方向性なのね。
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