![ちょちょら [単行本] / 畠中 恵 (著); 新潮社 (刊) ちょちょら [単行本] / 畠中 恵 (著); 新潮社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51lt58bMkmL._SL160_.jpg)
亡き兄の後継ぎとして、多々良木藩の江戸留守居役を拝命した間野新之介。
新参者として留守居役組合の面々に鍛えられいじられながら、手探りでお役目に奮闘する最中、 財政の困窮する藩にとってはその存続をも揺るがす「お手伝い普請」の噂が飛び込んでくる。
割り当てられれば藩の崩壊は必至、資金も伝手も手管もない新之助に藩を救う手だてはあるのか?
留守居役という聞きなれない職、幕府と藩の関わり方など目新しい事柄が多かった。
情報と人脈が命というのは今も昔も変わらないわけだ。
そんな大役を任じられたのが、優秀な兄のもとのんびり次男坊に甘んじていた新之助。
兄の死の原因、兄の許嫁だった千穂の行方探索を胸に、他はやり手ばかりの留守居役組合に足を運ぶ。
自他ともに求める己の凡庸さに、時折ぐずぐずとへたれ根性が顔を出すが、 生来のお人よしさと新米ならではの開き直りで、人を引き寄せ動かしていく。
危なっかしげな新之助に対し、荒っぽい扱いで道をつけ、 窮地にはそしらぬ顔で手を差しのべるのが、組合の岩崎。
口八丁手八丁で新之助には及びもつかないような高みをすいすいと渡っているようなこの男の 存在感が際立っている。食えない感じがいいよねぇ
畠中作品にはお人よしで自己評価の低い主人公が多いので、 またかと思いながら読みはじめたが、これがなかなか。
新之助の大がかりな仕掛けには、先が読めていながらハラハラした。
四方丸く納まったかに思えた一件は、思いがけない展開へと続くようだ。
「しゃばけ」シリーズは別格として、その次くらいに先が楽しみな物語。