2018年10月11日

 とるとだす

とるとだす しゃばけシリーズ16
とるとだす しゃばけシリーズ16

しゃばけシリーズも16作目。
長崎屋の主・藤兵衛が倒れ、毒となっている薬効を消すため若だんなも妖たちを頼りながら奔走。
いつになく行動的な若だんな、蜃気楼の中にも足を踏みいれることに。
そういえば、蜃気楼は大ハマグリが見る夢というような絵があったなぁ。
この世のものではない、妖かしの一種と思われるのはわかるにしても、そこで大ハマグリだの龍だのという想像力がすごいなぁと思う。

今回は妖だけでなく見慣れた名の神仙も登場、そして長崎屋は平和でした。
さして変化はないけれど、若だんななりの無茶をしても、寝込まなくなったような気がします。
代替わりにはまだまだ遠そうですが。。。
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2015年09月15日

 えどさがし

えどさがし (新潮文庫) -
えどさがし (新潮文庫) -

若だんな第一!の片割れである佐助が、今の暮らしに落ち付くまでの「五百年の判じ絵」、時が流れ、維新後の東京で若だんなの生まれ変わりを探す仁吉たちの話「えどさがし」
他3編の、しゃばけ外伝。

もともと犬神だったという佐助の過去編、若だんなの生まれ変わりを待ち続ける妖たちの未来編にしみじみとした。
生きる長さが違う、人と妖が寄り添って暮らす場所の温かさ。
それがこのシリーズの、いちばんの魅力なのかもね。
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2011年09月02日

やなりいなり

やなりいなり [単行本] / 畠中 恵 (著); 新潮社 (刊)

しゃばけシリーズも10巻目。1年に1冊ずつで10年!続いてますなぁ
毎回、様々な妖や神様が登場し、長崎屋の人やそうでないものたちと騒ぎが起きるというパターンにじゃっかん飽きが来たと言えなくもない・・・けど、読んでしまうんだなぁ

今回も様々な神様が登場。長崎屋の稲荷に棲む守狐たちも稲荷寿司をたずさえてお目見え。
町の門番たる橋姫の恋が引き起こした大騒ぎ、長崎屋に昼間から現れた妙な幽霊、長崎屋藤兵衛が連れ帰った危ない子供、雲の上の妖たちの兄弟げんかとドタバタが続き、最後は思いがけない結末と友を思う気持ちが切ない一篇。
一太郎は相変わらず仁吉と佐助の厳重な保護のもと。
単に過保護と流していたけれど、栄吉との会話に、笑いごとでもないのかもと少々不安になる。
かといって元気な若だんなというのも想像できないのだけど。

各話ごとにレシピ付き。これが今回の目玉かな。
あげだしいもって、大根おろしで食べるものだったのねー
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2011年05月02日

ちょちょら

ちょちょら [単行本] / 畠中 恵 (著); 新潮社 (刊)

亡き兄の後継ぎとして、多々良木藩の江戸留守居役を拝命した間野新之介。
新参者として留守居役組合の面々に鍛えられいじられながら、手探りでお役目に奮闘する最中、 財政の困窮する藩にとってはその存続をも揺るがす「お手伝い普請」の噂が飛び込んでくる。
割り当てられれば藩の崩壊は必至、資金も伝手も手管もない新之助に藩を救う手だてはあるのか?

留守居役という聞きなれない職、幕府と藩の関わり方など目新しい事柄が多かった。
情報と人脈が命というのは今も昔も変わらないわけだ。
そんな大役を任じられたのが、優秀な兄のもとのんびり次男坊に甘んじていた新之助。
兄の死の原因、兄の許嫁だった千穂の行方探索を胸に、他はやり手ばかりの留守居役組合に足を運ぶ。
自他ともに求める己の凡庸さに、時折ぐずぐずとへたれ根性が顔を出すが、 生来のお人よしさと新米ならではの開き直りで、人を引き寄せ動かしていく。

危なっかしげな新之助に対し、荒っぽい扱いで道をつけ、 窮地にはそしらぬ顔で手を差しのべるのが、組合の岩崎。
口八丁手八丁で新之助には及びもつかないような高みをすいすいと渡っているようなこの男の 存在感が際立っている。食えない感じがいいよねぇ
畠中作品にはお人よしで自己評価の低い主人公が多いので、 またかと思いながら読みはじめたが、これがなかなか。
新之助の大がかりな仕掛けには、先が読めていながらハラハラした。
四方丸く納まったかに思えた一件は、思いがけない展開へと続くようだ。
「しゃばけ」シリーズは別格として、その次くらいに先が楽しみな物語。
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2010年01月14日

つくも神さん、お茶ください


つくも神さん、お茶ください

つくも神さん、お茶ください

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/12/22
  • メディア: 単行本


作家としてスタートする前のこと、『しゃばけ』への思いいれたっぷりな創作話、各方面に掲載されていた書評やエッセイなどの、作者初エッセイ集。
もともと初めて「しゃばけ」を手にしたのは、都筑氏つながりの作者紹介からだったが、あっという間に「出ればすぐ読みたい」人気シリーズになってしまった。
もちろんご本人の才あってのことだが、柴田さんの描く鳴家たちの後押しも大きい気がする。
今や「やなり」と聞けば石燕の恐ろしいヤツではなく、きゅわきゅわと袖に入り込んでくるちっこい鬼を思い浮かべるもの。
以前は漫画家を目ざしておられたという作者の絵も、見てみたかったな。

ともあれ、やわらかな物言いの中にも生真面目そうなお人柄が透けて見えて、いっそう応援したくなるし、この先も楽しみ。
それと石燕の画図や「なめくじ長屋シリーズ」をまた手にしたくなった。
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2009年09月19日

ころころろ


ころころろ

ころころろ

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/07/30
  • メディア: 単行本


しゃばけシリーズ第8弾。

見えなくなった若だんなの目を治すため、生目神の持っていた玉を捜すのにおおわらわの段。
妖の仕業と思われるところには人の悪意や情があり、ひとつ玉を得るごとに落ち着く結末にほろりとする。
佐助が妻帯?仁吉が子守?と、兄やたちが若だんなから離れての活躍もあり、 鳴家たちは相変わらず卵焼きや金平糖につられ、役に立っているだかどうだか・・・のかわいらしさ。
特に仁吉が次々と人や妖に頼られて、溜息つきながら大勢の付喪神をを引き連れ面倒を見るはめになる表題の一編は、思わず笑える。そしてのち、しみじみ。
クールなのに情が深いのよねーとさらに惚れこんでしまう。
何より万太の落ち着く先が定まってホッとした。幼い人たちは特に、幸せになって欲しいからね。

敬われ怖れられる神様も、ここでは人と同じく迷い悩み思いに捕らわれている。
人比べれば神や妖ははるかに長い命を持つようだが、今を生きる大切さに変わりはないのかもと思えるのがいいなあ。
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2009年04月13日

こいしり

こいしり [単行本] / 畠中 恵 (著); 文藝春秋 (刊)

役目は違えど次世代を担う幼なじみたちが協力しあって、
大小のできごとや事件を解決していく様子が、ほろりとした人情を絡めて描かれる、『まんまこと』の続編。

やがては父の跡を継ぐという自分の立場を意識し始めた麻之助を応援したい気持ちと同時に、のらくらになるきっかけとなった想い人とのことがちょっとほろ苦く残る。
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2008年11月20日

アイスクリン強し

アイスクリン強し [単行本] / 畠中 恵 (著); 講談社 (刊)

孤児として居留地で育ち、西洋菓子店・風琴屋を開いた皆川真次郎のもとには、友人の警官・長瀬と、同僚の元旗本同志・若様組の面々が 珍しい菓子目当てに集まっては、厄介ごとや相談ごとを持ちかけてくる。  さらに真次郎の幼なじみ、女学生の小泉沙羅も関わって、精進するのは菓子作りか、はたまた難問解決か。

江戸から明治へ時が移って20年。
文明開化と呼び声高く、目新しいスイーツも登場する中、未だに江戸の名残りを引きずって生きなければならない人たちも、たくさんいたという。
肩書きばかりの役職員が、大量にリストラされたかのような様相だったのかと想像する。
古い繋がりにこだわり続ける者がいたり、コレラの大流行があったりと、世情は不安定でも、若い彼らは好奇心旺盛で柔軟だ。
真次郎の洋菓子作りへの情熱もほほえましい。 ソースのかかったアイスクリン・・・おいしそうだったなぁ

けれど時代は変わりつづける。
幸せの甘いお菓子、その原料である小麦の大量需要が示す暗黒への歩み。
この明暗のバランスが、甘々すぎず良いのかもね。
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2008年09月25日

いっちばん

いっちばん [単行本] / 畠中 恵 (著); 新潮社 (刊)

しゃばけシリーズ第7弾。

何やら元気のない若だんなを喜ばせようと競い合う妖たちと
江戸に出没する掏摸の捕物が絡む『いっちばん』
新たに店を出す商家と品物を競い合うことになった長崎屋の『いっぷく』
若だんなが天狗にさらわれる『天狗の使い魔』
和菓子職人の修行中の栄吉が巻き込まれる事件『餡子は甘いか』
お雛さんと許婚の間に横恋慕の入る『ひなのちよがみ』

とことんお菓子にこだわる鳴家をはじめ、何とか若だんなを元気づけようと奔走する妖たちのドタバタが楽しい『いっちばん』
当の若だんなは相変わらず病弱で、それでも今回は落ち込んだり卑下することなく少ぅしずつ、半人前への遠い道のりへ足を踏み出そうとしているところ。
前作『ちんぷんかん』での知り合いと再会するひとコマもあり、連作ならではのおもしろさも。
栄吉が、自分の才のなさに見切りをつけようかと思いつめる「『餡子は甘いか』は、切なかったねぇ

結局。
「妖てぇのは、いるだけで若だんなの役に立つんだろうよ」
そういうことなんだろう。
病弱で皆にかばわれてばかりの若だんなも、不器用すぎる栄吉も、妖たちも、いるだけでいいんだよ。
そういう何物にも変えがたい肯定が、この物語の魅力のひとつなのかもね。
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2008年02月12日

こころげそう

こころげそう 男女九人 お江戸恋ものがたり [単行本] / 畠中 恵 (著); 光文社 (刊)

元大和屋の主人・由紀兵衛の長屋で幽霊の噂が立ち、下っ引きの宇多が様子を見に行くと、二月前に死んだ由紀兵衛の娘・於ふじが幽霊になって戻ってきていた。
兄・千之助とともに水死したはずの於ふじに対し、思いを寄せていた宇多はふたりの死の真相を探るとともに、様々な謎をはらんだ幼なじみのたちの恋模様に巻き込まれる。
という、謎解きを絡めた幼なじみの男女9人の恋物語。

誰にでも優しい宇多は、幽霊となった於ふじにも思いを伝えられず、そんな宇多に寄せるお絹の気持ちにも気付かない、唐変木。
大工の棟梁の娘・お染とぼて振りの弥太は恋仲だが、親に反対されている。
ふたりの仲を知りつつ弥太に思いを寄せる美人のおまつは、縁談との間で悩み、そんな事情の前に重松はおまつへの思いを伝えられずにいる。
そして一番の箱入り娘・お品はおとなしいが、実は死んだ千之助と関わりがあるらしい・・・
とまあ、あちこちで押したり引いたりのかけ引きがある。
しかしいかんせん、宇多は色恋に疎い。
恋愛の機微を語るには色気がないし、どうもお友達ごっこの枠を出ない感じ。
人の情に訴える謎解きもあるけれど、残念。いまひとつ。
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