![失楽の街 (講談社ノベルス) [新書] / 篠田 真由美 (著); 講談社 (刊) 失楽の街 (講談社ノベルス) [新書] / 篠田 真由美 (著); 講談社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41KDPHTZ28L._SL160_.jpg)
第二部最終章。
グラン・パと生き難く感じている少年達の関わる物語。
主要人物総出演で、それぞれのキャラが際立ってます。
やはり神代さんが一番すてきだー
東京都内で小規模な爆発事件が続き、工藤刑事は職務外で探す少年との関わりを危惧していた。
やがて連続爆弾魔事件の災禍は神代の周囲にも及び、マレーシアから帰国した京介が
<火刑法廷>の爆破予告をネットで見つける。
同時期、不審な様子の小劇団「空想演劇工房」主催者・祖父江晋は事件と関わりがあるのか?
連続する事件現場には、どんな繋がりがあるのか?京介が謎を追う。
爆弾魔が誰なのか、何故なのか。
予告その他からプロファイルされる犯人像と、犯人側からの描写であれこれ想像するのが楽しかった。
そして爆破事件と抵触する形で、40年前に退官教授の息子が事故死した事件があり、
これにも京介がけりをつけて見せる。
心の内にどんな爆弾を抱え込んでいるか知れない、人こそ怖ろしけれというところ。
脇役だが、工藤刑事と幼馴染の出世頭・漆原の、刑事として、人としての迷いや矜持、
掛け合いもおもしろかった。
工藤さん、いい味出してます。
今回中心となるのは、戦前に建てられた集合住宅『旧朋潤会牛込アパートメント』だけれど
それ以上に、東京という街自体が舞台となる物語。
理想の都市、理想のコミュニティをめざした人たちそれぞれの夢と幻滅、
理想郷とは成りえなかった街と自分への破壊衝動。
人が街を創り、街が人を育てていた良き時代は、東京に限らずあったんだよねぇ。確かに。
神代教授の生い立ちや養父に対する後悔の念、今だからこその想いも綴られる。
共感もし、ますます惹かれてしまうのでした。