2019年07月10日

 すきなひと

恋の絵本 (1) すきなひと
恋の絵本 (1) すきなひと

桜庭 一樹・著  嶽 まいこ・イラスト 瀧井朝世・編集


楽しみにしていた「恋の絵本」シリーズの1作目。
対象年齢は子供かと思っていたけれど、これはなかなか深い。
どういうこと?と訊ねられても答えられる気がしませんが、繰り返される100億年の情景は明るく鮮やかで美しい。

裏切ってくれるなぁ、桜庭一樹。

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2010年05月27日

道徳という名の少年


道徳という名の少年

道徳という名の少年

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/05/11
  • メディア: 単行本


血縁で繋がる美と退廃の絵物語。
真珠が喉をすべり落ちていく感覚にぞくっとした。
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2009年11月15日

製鉄天使


製鉄天使

製鉄天使

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/10/29
  • メディア: 単行本


『赤朽葉家の伝説』のスピンオフ作品ということで楽しみにしていたんですが・・・全くタイプの違うものでした。あれもこれも桜庭作品かと思えば、別の意味ですげーなとは思うんですが。
赤緑豆小豆がレディースとして中国地方を制覇する物語、なので、どうやら赤緑豆小豆=赤朽葉毛毬ということなのでしょう。
こうなるともうファンタジーか漫画の世界ですな。
当初は『バリバリ毛毬伝説』というタイトルだったとか。
その方がぴったりなのに。
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2009年10月07日

GOSIC


GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 文庫


訳あり深窓令嬢探偵とお人好しワトソン。
雰囲気は表紙絵から押して知るべし。
まあでも当初読んだラノベに比べれば拒否反応もなかったし、むしろシリーズの続きを読んでもいいかなと思うくらいにはおもしろかった。
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2008年10月12日

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説 [単行本] / 桜庭 一樹 (著); 東京創元社 (刊)

戦後の高度成長期から平成という時代へ移り変わるまでの世相と、その中で栄えやがては衰退していく製鉄業をなりわいにした 鳥取の旧家・赤朽葉家を舞台に語られる、三世代の女と一族の物語。
個人的には『私の男』より、こちらの方が好み。

山の民から、職工の宿舎を登りつめた最上部にそびえる大屋敷、赤朽葉家の嫁となった祖母・万葉。
不良から一転、漫画家として短い人生を走り抜けた母・毛鞠。
そして語り手でもあり、現代を生きる瞳子。

万葉の物語が、一番濃かった。
前半の重厚な物語に比べ、瞳子の物語は謎解きとなってやや印象が違う感じがしたけれど、祖母や母のような特異な能力を持たない瞳子が、 彼女なりに赤朽葉の家を背負っていくには、必要なことだったのかもしれない。
謎の向こうに、万葉や豊寿の長い長い物語があって、彼らの得たもの、失ったもの、悔いやささやかな想いといったものが答えと共に浮き上がってくる。
今はまだ語るべき物語を持たないという瞳子だが、生きて誰かや何かと関わり痕跡を残すことが、すなわち物語なんだと思う。  日々、物語を紡いでいるのだ。私たちも。

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2008年09月29日

私の男

私の男 [単行本] / 桜庭 一樹 (著); 文藝春秋 (刊)

ディティールの細かい圧倒的な筆力で、唸らされる物語だった。
そういう点からすれば満点評価が妥当な作品だと思う。
でもどうしても、どこか思い切れない気持ち悪さがあって・・・
すごい物語だけど私は好きじゃないな、ということ。

モラルがどうだとか、生理的に訴えてくる描写がどうとか、そんなことではなく。
これは父と娘の近親相姦ものだというけれど、むしろ淳悟は生物的にはともかく、父親であったことなどなかったんじゃないか。
大切に育ててきたとしてもそれは、ただ自分を愛するように血を分けた娘をかわいがっただけじゃないか。
淳悟が花に見ていたのは、母かもしれないし、自分自身かもしれない。
娘を自分のものだと言う、そういう感覚に苛立ち、憎んだ。
相手を所有する間柄を家族とは呼ばないだろう。
もっと欲しいか、もう要らないか、そのどちらかしかない男を母性的な愛情で包んだ花のたくましさとに打たれたし、そうならざるを得なかった花の幼年期をいたわしく思う。

物語を追うごとに、時はさかのぼって行く。
自分だけが生き延びた、その時の父親の優しさが、あまりにも残酷だ。
誰かに必要とされることは、その時の花にとっても必要なことだったんだろう。
依存しあうことでお互いの欠落は埋められたんだろうか。
気の毒な運命をたどった大塩のおじいさんや、警察官の田岡にも、どこか淳悟と同じ気持ち悪さを感じてしまった。

流氷の寄せる、鈍色の海。そのイメージが強烈に残った。
あぁやっぱり、物語に呑まれているかもしれないな。
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2008年07月01日

荒野


荒野

荒野

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: 単行本



鎌倉の古い家で、恋愛小説作家の父と小さい頃から一緒にいてくれた住み込みのお手伝い・奈々子さんとの3人暮らしをしていた山野内荒野12歳。
私立中学の入学式の日、電車で助けてくれた同級生・神無月悠也はなぜか、荒野の名前を知ったとたん嫌悪の目を向けられる。
後日、荒野の家に悠也とその母が、新しい家族としてやってきた。
男と女、大人と子ども、家族、親子・・・女好きを仕事の糧にしているような父と、彼をめぐる人たちの間で過す多感な荒野の、12歳から16歳までの物語。
もとはファミ通文庫で出ていたものらしいが、たぶんそれだと目にとまらなかったと思うので、こういう形でまとめられて良かった。

父の結婚のよる新たな母の出現。しかもそれは同級生の母親で、形ばかり兄弟となった彼に対して抱く思いは、家族という名の壁にゆるやかに阻まれる。
けれど阻まれ、自ら距離を置きながら、ゆっくりと育っていく想いを見ていくのは、とてもほほえましいことだった。
妻の出現によって居場所を追われた奈々子さん、彼女がとても好きだったな。
実際は荒野の母であり姉であり友だちだった奈々子さんが、人に触られることを恐れる荒野をそのまま受け入れていたのは、決して無関心だったからではないだろう。
男と女のことは仕方ない。子どもは親の都合で母さえも奪われるのだ。
女であることを悟られずに女であり続けた彼女が、身を引く様がとても寂しかった。
反面、荒野にずけずけ立ち入ってくる蓉子さんが、最初は憎らしかった。
けれど、蓉子さんはあくまで大いなる母だった。
その力強さにいつしか荒野も、ゆったり抱え込まれていったのだろう。

ゆったりと続いていく人を想う気持ちは、とても不確かで、そのくせ強靭だ。
相手を思う気持ちがつながりあって、そこに家族という名がつくということか。
大事に守られ、手をさしのべられていた少女もやがて自分という位置を決め、人を迎え入れる場所となる。
人の営みの生き生きとした様が、とても良かった。
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2007年10月07日

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ [単行本] / 桜庭 一樹 (著); 新潮社 (刊)

東京山の手の聖マリアナ学園は、幼稚舎から高等部までの良家の子女が通う伝統ある女学校だった。
そこには、敷地内奥深くの廃屋のようなビルの三階を部室とする、異端児たちの集まる読書クラブがあり、学園の正史には残らない数々の事件が、暗黒の読書クラブ誌に綴られ続けていた。
という、お嬢様学校100年の珍事件簿。
以前読んだ作品の印象が、おおむねの評価とあまりに食い違っていたので、合わんということだろなぁと敬遠していたのだが、これはおもしろかった。
青年は青年にあらず。されど心意気は青年なり。『紅はこべ』が懐かしかった。
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2006年01月24日

少女には向かない職業


少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



学校では友だちとそれなりに楽しい時間を過ごし、家に帰れば疲れきった母に気を使い、アル中の再婚相手を憎悪する中学2年生の大西葵は、 学校とは別の顔を持つクラスメイト宮之下静香とともに、殺人をおかすことになる、という物語。
前回読んだ「砂糖菓子〜」よりは、かなり良かった。
学校でも家でも自分を演じることでしか居場所を見出せない少女の葛藤が、痛々しい。
ミステリというより、青春小説っぽかった。
それにしてもイマドキの子って、こんなに周りに合わせることばかり気にして生きてるんだろうか?
あちこち神経使ってるわりに、殺人に対する罪悪感、切迫感がそれほどないのな。
ゲームのように事が運んでいくっていうのが、どうもなぁ・・・
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2005年12月05日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 文庫



タイトルがおもしろそうだったのと、ミステリー文庫ということで借りてみた。
家事と引きこもり兄の世話をこなす13歳の少女と、虚言ばかりのきれいな転校生少女の物語。
青春暗黒ミステリーということなんだが・・・ミステリーではないと思うぞ。
必要性を感じられない暴力的で残酷な展開が不快だし、少女の成長物語としては、とても安易。
要するに私向きの本ではなかったということでしょう。
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