フーガはユーガ幸せとは言えない子供時代を過ごし、いつからか異能を手に入れた双子の物語。
対策に苦心し制御できない異能など不便なだけじゃないかと思うけれど、「意外に楽しい」のか、そうなのかと思う。
子どもに対する無関心や暴力に加え、犯罪的に残酷な仕打ちも出てくるので、辛い場面も多々ある。
子どもは力が無くてどこへも行けなくて不自由で、だからこそ守られるべき存在なのに。
せめて彼らが双子で良かったなと思う。
あの異能は、普通の人が当然のように持っているものを持たされなかった彼らに、誰かが人生挽回の武器として与えたのかもな、なんて思った。
彼らはそんなこと、どうとも思っていなかったようだけれど。
知らない事は教えを請えばいい、馬鹿にされるくらい何だというのか、と。
本当の強さってそういうことなんだと、不意打ちのように胸を突かれた。
風我もワタヤホコルも、自分の家族を紡いでいる。
子どもを待ち望んで、面白がって、慈しんで育てるんだろう。
でも優我は・・・きっとハルタの心のなかでは、ヒーローとして生き続けるんだろうな、とは思う。
温かな気持ちに包まれもするけれど、やはり切ない。切なすぎる・・・
まあでもね、こういう残酷さも崇高さもあるこの世界に、淡々として不器用で、でも心のなかにはとんでもなく熱い正義感があって。
伊坂さんの描くそういう人が、とても好きです。