2020年11月22日

 ハリネズミは月を見上げる

ハリネズミは月を見上げる - あさのあつこ
ハリネズミは月を見上げる - あさのあつこ

引っ込み思案で言いたいことも飲み込んでしまいがちな鈴美と、物怖じせずはっきりと自己主張する比呂。
対照的なふたりの高校生が、家族や友達、大人との関係にぶつかったり悩んだりしながら成長する物語。

主人公たちと同年代には共感できるところが多い物語だと思う。
大人も先生も高校生もこんなにわかりやすくはないだろうけど、同級生に憧れにも似た気持ちを抱いたり、大人に批判的だったり諦めていたり、高校生ってそういえばそんなだったかなぁとも。
真反対のようでいてこの2人は、まっすぐなところがとてもよく似ているね。
読後感は爽やかです。
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2013年02月20日

偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

偽りの支配者 (ミヤマ物語 第三部) [単行本] / あさの あつこ (著); 毎日新聞社 (刊)

ハギとトオルという異界の少年たちの結びつきが彼ら自身を変え、周囲を、そしてウンヌ全体を変えていく最終章。

舞台は違えどNO.6と世界観はほぼ同じ。
尽きない欲望はいずれ腐敗し破綻する。それを導くのは内と外の者。
彼らは自分の目で見て心で感じたものを信じ、自分も信じられる者となるために成長し、心は共にありつつ別の道を歩む。
何より強いのは人を信じる気持ち、そして親子の絆。

そういう成り立ちの、いいお話。
中野耕一氏による表紙絵がすてきで、ターゲットを勘違いしていました。
毎日小学生新聞に連載されていたものなんですね・・・納得。そういう年代にはとてもいいと思う。
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2010年01月23日

夜のだれかの玩具箱


夜のだれかの玩具箱

夜のだれかの玩具箱

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: 単行本


朝が子どもから青少年向けなら、夜は大人向け。
ちょっとぞくっとしたり、ひそやかでしんみり。
あさのさんの時代物はあまりピンと来ないことが多かったのだけど、
短編となるといいね。
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2009年08月18日

NO.6#8


NO.6〔ナンバーシックス〕#8 (YA!ENTERTAINMENT)

NO.6〔ナンバーシックス〕#8 (YA!ENTERTAINMENT)

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/25
  • メディア: 単行本


前作からの流れで想像どおりの展開。
やはり沙布は、そういうことだったかと。
矯正施設の内外で崩壊が始まり、隠されていた真の姿が露呈しはじめたNO.6 
しかしこの期に及んでなお、紫苑とネズミそれぞれが内面葛藤し、お互いを量りかねて行きつ戻りつ・・・話がなかなか進みませんなあ。
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2009年07月26日

朝のこどもの玩具箱


朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)

朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本


子どもから大人になりかけの人たちの、健やかなきらめきが伸びやかに描かれ、ほほえましかったり、しみじみしたり。
イベントとして死を多く扱いすぎているのがちょっと気になるけれど、児童書といってもいい読みやすさで、多様なあさの風味が味わえます。
未来タッチの『この大樹の傍らで』が一番、『孫の恋愛』の独特な世界観も楽しかった。
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2009年06月11日

待ってる


待ってる 橘屋草子

待ってる 橘屋草子

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/02/05
  • メディア: 単行本



12歳で深川の料理茶屋「橘屋」に奉公にあがり、仲居頭のお多代に厳しく仕込まれて一人前になっていく、12歳のおふくを中心とした奉公人たちの物語。

生活苦から、親に捨てられて、料理人の手さばきに見ほれて・・・様々な理由から橘屋に縁付き、忙しく立ち働くことで日々をしのいでいる奉公人たちの悲喜こもごも。
江戸が舞台の時代物だが、話の流れは現代風。つまりとてもわかりやすい。
子どもを主人公に据えていることもあるんだろうが、その分、情緒ややるせなさといった深みに乏しく、物足りない面も。
おふくよりむしろ、お多代の人生を見てみたかった。さらっと説明してしまうのではなく、訳ありのまま秘すか、もしくはつぶさになぞるかだったら良かったのに。
とはいえ、悲劇的な状況を耐えて成長していく少年少女はけなげだし、お多代の情の深さと潔さにはうたれた。

明るく精緻な表紙絵は、菊池健氏によるもの。
どこかで見たような?と思ったら、「ななつのこものがたり」の印象だった。
そうか、加納作品でたくさんお目にかかっていたんだね。
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2008年11月04日

NO.6#7


NO.6〔ナンバーシックス〕#7 (YA!ENTERTAINMENT)

NO.6〔ナンバーシックス〕#7 (YA!ENTERTAINMENT)

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 単行本



沙布救出のため、矯正施設内部へ侵入した紫苑とネズミ。
ふたりに賛同し、あるいは利用される人たちも無傷ではいられないが、目的のためには仕方のないこととあっさり切り捨てる紫苑に、むしろネズミは危惧を抱き始めてもいる。
崩壊の兆しをみせるNO.6のあやうさと、ふたりの行く手に待ち受けるものにどきどきするが、それぞれの心情を細かに追うため物語はなかなか進まない。
沙布がどういう姿で現れるのか・・・それも次回以降。  
じれったいなぁ
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2008年09月09日

金色の野辺に唄う

金色の野辺に唄う [単行本] / あさの あつこ (著); 小学館 (刊)

穏やかに死を迎える老女と、そこに立ち会う家族の物語。

ときどき、死に囚われることがある。
痛いとか苦しい思いをするのは嫌だな、できれば眠るように死ねたらいいな、でも病院のベッドで死ぬことになるかもしれないな・・・なんて。
だから、ここに登場する大おばあちゃんの死んでゆく様は、とてもいいなと思った。
躍動する命は美しい。
己に向かい、己の望む姿に向かい、闘う命にも打たれる。
それでも、ただ静かにあるだけの命もまた、いとおしい。

好きな同級生に比べ、自分の凡庸さに打ちひしがれる少年。
穏やかな父のもとに後妻として来た継母。
人の上に立つ風格と容姿に恵まれ、けれど愛情に焦がれ続けた祖母。
美しすぎる娘を産んだことで夫に疑われ続けてきた曾祖母。
そんな曾祖母に思いがけず救われた青年。

大おばあちゃんの、穏やかで包み込むような人柄が温かい。
「珠を持っている」のは、誰より彼女なんだと思う。
ためらう背をぽんと押してくれる、温かな手の持ち主。
そうなるまでに、大おばあちゃんにもたくさんの葛藤や慟哭の日々が
あったのだろう。
年を重ねて何物かを得るためには、ぎりぎりと歯噛みしつつも高みを仰ぎ、過ちにうろたえ、思うに任せぬことに打ちのめされつつも、じたばたと生きていくしかないんだな。

喪われることを悼み、秋の黄金色の中を送る情景が、とても美しい。
たとえ涙は流れても、そういうふうに送られたい。
そう送られるように、生きていたい。
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2008年08月26日

ミヤマ物語 第一部


ミヤマ物語 第一部

ミヤマ物語 第一部

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2008/06/21
  • メディア: 単行本



生まれながらの身分と昔からのしきたりで成り立つ異界・雲濡。 その最下層民として虐げられることに疑問を持ち始めたハギと、いじめから不登校になった小学6年生の透流。
異なる世界でのそれぞれの葛藤を描きながら、ふたりの世界が交わり出会うところまでの、まだ序章のような本書。
異世界の少年が出会って影響しあって・・・というのは、他でSF調の物語が進行中だけど、これはもうちょっと深い感じ。 先の展開が楽しみ。

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2008年05月09日

NO.6#6



長老とネズミの関係、ネズミの過去、NO.6のはじまりと内部崩壊のきざし・・・
ようやく新たな展開が見えてきた。
それにしても沙布がどういう姿になっているのか、気になる。
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