2025年09月26日

 定食屋「雑」

定食屋「雑」 - 原田ひ香
定食屋「雑」 - 原田ひ香

商店街の古びた 定食屋「雑」が舞台の、食と人生の物語。

食べ方とか食の好みはその人の生き方に直結するから、自分の正義だけに固執すれば他人と生活するのは難しいよね。
真面目な努力家なのに、夫婦となれば上手くいくとは限らない。
かと思えば何のゆかりもない店主とは、かけがえのない関係が育っていく。
お客さんやその周囲の人たちも含め、人との関りを食で包んだ原田作品は、今回も心地よいものでした。

コロナという理不尽の影響は大きかったけれど、生きていくうちで被る大波のひとつとして、乗り越えていくしかない。
齢を重ねればなおのこと、抗うも良し、受け入れるもまた一つの選択と、生きることへのたくましさが魅力でした。
それにしてもコロッケ!近々作るしかないやん、これ。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月16日

 幸あれ、知らんけど

幸あれ、知らんけど - 平民 金子
幸あれ、知らんけど - 平民 金子

本の読めない時期だったので、こういう日記のようなエッセイのような?ものなら読みやすいかと手にしたら、すっかり引き込まれてしまった。
淡々と語られる日々の情景に、良くも悪くもすべて移り変わっていくんだなぁと当たり前のことに思い至り、何やら切ない。
娘ちゃんとの石垣島旅行が素敵だった。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月13日

 あとはおいしいご飯があれば

あとはおいしいご飯があれば - 柊サナカ
あとはおいしいご飯があれば - 柊サナカ

タイトル通り、おいしいもので気持ちが緩む13話。

遺された猫の話にしんみりとし、齢を重ねて変わっていく親子や家族の距離に共感、ああこの子が大人になってこういう暮らしをしているのね、などの小さな繋がりも楽しい。
おいしそう!と思ったらレシピ付きなのも良し。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月25日

 ランチ酒2

ランチ酒 おかわり日和(祥伝社文庫は20-2) - 原田ひ香
ランチ酒 おかわり日和(祥伝社文庫は20-2) - 原田ひ香

夜勤終わりのランチ酒、どれも美味しそうに食べ、飲む様に引き込まれます。
見守り屋の仕事で出会う人たちとの関わりは距離感が難しそうだけれど、祥子の人柄がにじみ出てとても温かく感じられました。
離れて成長していく娘との関係へは、元夫の環境変化によってさらに悩ましく、一方祥子自身にも心ゆする出来事があり、この先も波乱だなぁと想像します。
ということで、続きが楽しみ。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月27日

 じい散歩 妻の反乱

じい散歩 妻の反乱 - 藤野 千夜
じい散歩 妻の反乱 - 藤野 千夜

前作からさらに英子も新平も年を重ね、若い頃のような劇的な変化はないにしても、少しづつ体力も環境も変わっていく。
ほぼ頼りにならない息子たちは当てにせず、今できることと、もうできなくなりそうなことを見据え、妻の介護の合間にいそいそと出かけていく。
歳を重ねていくことのせつなさとあきらめを身につまされながら、何ともかわいいおじいだなぁと思う。
体や認識が不自由になった英子は、むしろにこにこしていて幸せそうだ。
正直なところ、引きこもりと借金まみれの息子たちをなぜ一人立ちさせようとしないのか不思議だし、母親が要介護の状況になっても現実を見ない彼らに苛立ちさえ覚えるのだがまぁ、家族でなければわからない部分はあるのかなぁと。

順番、と思っても、家族が欠けていくのは寂しいものだ。
じいががっくり来ず、少しでも自分の楽しみを続けられたらいいなぁと思う。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月12日

 息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。

息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。 (一般書) - 幡野 広志
息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。 (一般書) - 幡野 広志

写真家ではあるけれど、写真ではなく目に焼き付けておくほうがいいこともあると伝えてくれる、エッセイでも写真集でもない本のかたち。

息子に向けるまなざしは優しい。
けれど、子どもは自分とは違う人生を歩む他者であるという感覚、この距離感がすごくいいなと感じる。
物事を選択するには覚悟が必要だし、選んだつもりのない道を進まざるを得ない時もある。
だからこそ今を、というものを受け取った気がする。

笑顔のおじいちゃんの話にぐっときたなあ。
写真もいいね、孫への慈しみがにじみ出ていて。
伝えたいものを伝えられる力が大切なんだなと思う。
いい本でした。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月31日

 ランチ酒

ランチ酒 - 原田ひ香
ランチ酒 - 原田ひ香

おいしいランチとお酒の話・・・という点はイメージどおりでしたが、夜間働く祥子にとってランチは文字通り、一日の最後をしめる大事な食事。
ひとりで初めての店にもどんどん入り、食事とアルコールを楽しむ様子に、思わずこちらの口角も上がります。
けれど背後には、夜間の見守りという仕事で出会った人たちや祥子自身の影が見え隠れして、幸福度は拮抗。
わけありでも、おいしいランチを明日への拠り所にして立つ強さが好ましい物語でした。
シリーズを追いかけますよ。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月24日

 じい散歩

じい散歩 (双葉文庫) - 藤野千夜
じい散歩 (双葉文庫) - 藤野千夜

ものすごーく久々に千夜さんを手にしたら、何やら絶賛されているらしく、おぉう、そうなのかとちょっと驚いてしまった。
哀しみもおかしみもたっぷりと込められ、それでいて淡々とした語り口の魅力に、ようやく気付いたかよ皆さまと鼻を高くした気分だった。
という戯れ言はともかく。

カクシャクとした健啖家にして好色漢、秘密も多い新平ほぼ90歳。
立派な昭和のじいである。
かつて田舎から手に手を取って逃げてきた愛妻は、かつての面影もなくコロコロと丸まり、認知を疑う気配も。
3人の息子たちも50を超えたが、いつの間にかひとりは娘となり、残るふたりは実家にひきこもりと借金三昧。
無い無い尽くしで先は決して明るくないはずだが、じいは黙々とルーティンをこなし、変化を受け入れ、日々を楽しむのだ。
自分の面倒を自分でみられるというだけで、上等。
興味を持ったら即行動というフットワークの軽さで、いくつになっても世界は広がる。
ぐずぐず言わない。時々、かっ、と笑う。
なんか、格好良いんだよね。

持ち直した英子に向ける新平のまなざしが優しい。
使命感に燃える94歳、その先が楽しみだ。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月15日

 忌み地 屍

忌み地 屍 怪談社奇聞録 (講談社文庫) - 福澤徹三, 糸柳寿昭
忌み地 屍 怪談社奇聞録 (講談社文庫) - 福澤徹三, 糸柳寿昭

忌み地に限った話はもうほとんどなく、普通の実話怪談。
ですが間に何人か挟んでも、実際の体験を取材した話なので、妙な盛り上げや想像による無理くりオチがなく、淡々としているところが好み。
おおむね、カバー表紙に書きつけられた事案が印象的でしたが、特に『気にするな』と『黄色いスーツケース』は嫌な感じが後を引きました。
なんだかんだで続きが楽しみなんだなぁ
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月20日

 火狩りの王〈四〉 星ノ火

火狩りの王〈四〉 星ノ火 (4) - 日向 理恵子, 山田 章博
火狩りの王〈四〉 星ノ火 (4) - 日向 理恵子, 山田 章博

どういう形でこの世界が決着するのか、やはり最後まで見届けたいという思いで何とか完結まで読み終えました。
魅力的なキャラクターも多かったけれど、そもそも「火狩りの王」の意味や価値、主人公たる灯子の存在意義など納得のいかないことが多く残り、すっきりしなかったなぁと残念な印象。
外伝もあるんですよね。どうしたものか。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【ハ行作家】 その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする