2025年12月06日

 失われた貌

失われた貌 - 櫻田智也
失われた貌 - 櫻田智也

魞沢シリーズとは趣の異なる、読み応えのある警察小説でした。

捜査という形の謎解きをベースに、それぞれの背景を持つ捜査員たちの個性や掛け合いも鮮やかで、最後まで引き込まれました。
伏線回収の手腕もさることながら、やはり根底に人を慈しむ気持ちが感じられる、その温かさが魅力な気がします。
年度末にいい本が読めたなぁ
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2025年09月22日

 その本はまだルリユールされていない

その本はまだルリユールされていない - 坂本葵
その本はまだルリユールされていない - 坂本葵

心から望んだわけではない新たな環境で、戸惑いながらも出会う人たちとあたたかな関係を紡いでいく、優しいお話。

自分の進路や親との葛藤、学校を職場とする司書という仕事、さらに誤解を受けがちな困難を抱える人たちのことなど、お行儀よく収められた話だなという印象も。
しかし何より、製本という技術職へのリスペクトが心地良かった。
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2025年04月09日

 近畿地方のある場所について

近畿地方のある場所について - 背筋
近畿地方のある場所について - 背筋

繰り返され少しずつ重なりあう様々な媒体によるエピソードが、「ある場所」の形を浮かび上がらせていく。
意味やオチのない怖い話も好きだが、ひとつの結論が導き出されることでまとまる感はあるのかも。
巻き込まれタイプということでの怖さは無かったかな。
雰囲気は楽しめました。
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2025年04月04日

 へこたれてなんかいられない

へこたれてなんかいられない - ジェーン・スー
へこたれてなんかいられない - ジェーン・スー

婦人公論での連載をまとめたエッセイ。
連載媒体の関係か、身の回りより少し広い視野での観察や主張の割合が多かった印象。
とはいえ張り切ったりへこんだりと忙しい身近な日常のスーさんも健在で、楽しませてもらいました。

彼女が使う、品という言葉が好き。
プライドとも矜持とも似て非なる品という言葉の、背筋の伸びる感じがとてもいいなと感じました。
スーさんの言葉選びはとても品が良いから心地いいのです。
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2024年03月11日

 エレファントヘッド

エレファントヘッド (角川書店単行本) - 白井 智之
エレファントヘッド (角川書店単行本) - 白井 智之

薬による時間遡行、そこで生み出された干渉しあう複数の世界でおきる事件。
枝葉別れしながら重なり合って進む世界、正解と反転が繰り返される混沌に圧倒されました。

緻密な理詰めを楽しめる向きには良さそうですが、私はちょっとお腹いっぱいな感じだったかな。
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2023年07月20日

  九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい - 佐藤愛子
九十歳。何がめでたい - 佐藤愛子

気になっていたのに、そういえば読んでいなかったなと手にしたエッセイ。

90歳ともなれば傍から見れば危なっかしいことも多かろうし、ご自分でも衰えは認めつつ、それでもしゃんとしているたくましさ、これは気持ちが良い。
育った環境や時代背景が違えば、常識や価値観も変わってくるから、ギャップがあるなぁと感じる部分もあるけれど、ずばずばと言いたいことを言うパワーに圧倒されます。
90歳はまだ遠い私でさえ、もう〇〇だからと思いがちなのに、このとんがり具合ときたら。
それも嫌味じゃないのがお人柄か。恐れ入りました。
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2023年04月21日

 ひとまず上出来

ひとまず上出来 (文春e-book) - ジェーン・スー
ひとまず上出来 (文春e-book) - ジェーン・スー

本でしかご縁のないジェーンさんですが、生き方がまるで違うこともあり、今回は自分とはすこーし関心や物事の受け止め方の違いが大きかった気がします。
それでも、生きるための筋肉の話や心理テストは身につまされました。 
心理テスト、優先順位がほぼ「育休中の友達」と同じだった私にとって、まず電話とチャイム対応が優先としか考えられない人に逆にびっくり。
自分の当たり前は人のそれとはずいぶん違うものなんだ、価値観というか取捨選択って様々なんだなぁとまぁ今さらなんですが、面白かった。
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2023年04月09日

  奇譚蒐集録 北の大地のイコンヌプ

奇譚蒐集録 北の大地のイコンヌプ (新潮文庫) - 清水 朔, 今井 喬裕
奇譚蒐集録 北の大地のイコンヌプ (新潮文庫) - 清水 朔, 今井 喬裕

シリーズ2作目。
鬼にまつわる婚礼を調べるため北海道へ赴いた廣章と真汐。
アイヌに紛れ流浪する今は無き村の真相は、もの悲しいものでした。
と同時に、廣章とは別に人鬼を追う勢力の存在も明らかになり、不穏な気配も。
大正3年という時代背景のきな臭さも、気になります。
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2023年03月14日

 虚構推理短編集  岩永琴子の密室

虚構推理短編集 岩永琴子の密室 (講談社タイガ) - 城平京, 片瀬茶柴
虚構推理短編集 岩永琴子の密室 (講談社タイガ) - 城平京, 片瀬茶柴

妖怪・怪異のせいでややこしくなった密室短編集。
もともと筋が通れば虚構で構わない、ならばどうにでも描けそうなのにその実破綻なく組み立てるのはかなりの荒業。
夫婦関係、親子関係という一番生々しく人が関わる事件を暴いてみせる中編2作が読み応えあり。
今回は楽しみにしている九郎との掛け合いが少なかったかな。そこが残念。
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2023年01月31日

 これでもいいのだ

これでもいいのだ (単行本) - ジェーン・スー
これでもいいのだ (単行本) - ジェーン・スー

まだおそらく先は長いだろうと何となく思っているけれど、「ついていけない」場面も出てくるし、後のことを現実問題として考える機会も増えてきたお年頃のスーさん。
自分とはまったく違った生き方をしているスーさんだが、加齢による変化をただ嘆くでもなく受け止めつつ、変化が期待できる部分はがんばってみたり、という姿勢がすてきだ。
生き方にただ一つの正解なんてないから、これでもいい、という肯定はとてもいいなぁと思う。

喪服のくだりは思い当たること多々あり、笑わせていただきました。
喪服セットこそは、確認とアップデートを心掛けるべき最たるものなのです。
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