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2025年10月15日
五つの季節に探偵は
五つの季節に探偵は (角川文庫) - 逸木 裕
高校2年生の時、友人の頼みから探偵気質に目覚めた主人公がその後、大学生、社会人、子を持つ探偵社員として関わっていく5つの謎解き物語。
人間を見たい、真相が知りたいという欲求で突っ走ってしまう主人公が年を重ね、経験を積んでいく様を、見守るような読後感でした。
謎解きは秀逸、仕事として割り切る潔さも納得、でも正しいことが幸せとは限らないジレンマに彼女がどう向き合っていくのか。
続編もあるらしいので、そのあたりが楽しみです。
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【ア行作家】 その他
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2025年05月14日
夜更けより静かな場所
夜更けより静かな場所 (幻冬舎単行本) - 岩井圭也
真夜中の古書店で開かれる読書会。
テーマとして選ばれた本と、そこに集まる6人それぞれの人生が重なり関わり合って、新たな物語が紡がれていく、気持ちのいい物語でした。
課題となった本たちは、作中作なんですね。読んでみたかったなあ。
感動する人がいればよくわからないと感じる人もいる、それぞれの異なる意見が店主によってうまく折り合いを付けられ、和やかに進む読書会はとても楽しそうでした。
本の読み方に正解はないし、何となく良かったでもわからないでもいい、そう言われると心強くなります。
導き手となる店主がまた謎多くとても気になる存在でしたが、おそらく望み通り彼自身も読み解かれることで、次代へ繋がる予感が良かった。
そしてやはり紙の本はいいなあと思うのです。
posted by てまり at 00:00|
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2025年03月22日
よむよむかたる
よむよむかたる (文春e-book) - 朝倉 かすみ
古民家カフェで開催される、高齢者の読書サークルの物語。
本が好きというだけでなく、お互いを尊重し個性に配慮してきたからこそ長年続けられたのだろうし、体や心の衰えを受け入れつつ、月一の読書会を楽しみにするという年の重ね方も、すてきだなと思う。
ただ、参加したいかと問われれば、そこはちょっと違うかなぁとも。
読んで語るにも、それぞれ好みの距離感があるよね。
名誉顧問の挫折青年にも夜明けが来そうで、和みました。
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2025年02月20日
藍を継ぐ海
藍を継ぐ海 伊与原新
焼き物の系譜、ニホンオオカミ、原爆の資料、北の地の暮らしと隕石、そしてウミガメがテーマの5編。
失われ、誰にも気にされずにいた物事も、大切な意味を持って人知れず息づき、めぐり続けていることがある。
どこかしら欠けや不足を意識する人たちが、そうした思いがけない出会いや発見によって、少しずつ変わっていく様が心地よい。
いずれも緻密な後ろ盾を持つ物語の中で、描かれる人々がとても表情豊か。
特に『星隕つ駅逓』は、背景の壮大な歴史と、そこに息づく人の強さが胸に迫る物語でした。
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2024年09月16日
存在の耐えられない愛おしさ
存在の耐えられない愛おしさ - 伊藤 亜和
どこで「読んでみたい」と思ったのかわからないけれど、読み始めてすぐ、ああこれいいなと思った。
スーさん繋がりかもしれない。違うけど、似た匂いがするところもある。
ちゃんと自分の基準を持っていると感じるあたりだろうか。
大人なら当たり前のようでいて、普通はこう、とかつい考えちゃうものなんだよ。
Tさんやメメとのくだりが好きだった。
深く思いめぐらす大人のようでもあり、時には小学生男子のようでもある彼女の言葉が、とても楽しみになった。
posted by てまり at 12:57|
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2024年03月03日
烏に単は似合わない
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫) - 阿部 智里
以前から気になっていたシリーズをようやく。
八咫烏の一族が支配する世界で、若宮の后候補となる4人の姫をめぐる物語でした。
大小の事件が起き、4人それぞれの印象がはじめと終わりでがらりと変わっていく過程がミステリ。
まさかあの人がの展開でしたが、宮廷物のドロドロ人間関係だけではないことを期待して、次巻へ。
posted by てまり at 00:00|
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2024年01月17日
播磨国妖綺譚 伊佐々王の記
播磨国妖綺譚 伊佐々王の記 (文春e-book) - 上田 早夕里
前作はほのぼのとして、妖絡みのちょっと不思議な話という感じだったのに、本編は大いなる悪が登場。
兄弟とあきつ鬼対妖術師の戦い、さらに都の政とも関わりのあるきな臭い感じになってきました。
緊張をはらんだ、この続きが待ち遠しいなぁ
posted by てまり at 00:00|
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2024年01月10日
播磨国妖綺譚
播磨国妖綺譚 [ 上田 早夕里 ] - 楽天ブックス
続巻が出てうれしやと思ったが雰囲気しか覚えていなかったので、再読。
芦屋道満の血を引く法師陰陽師の兄弟の物語。
物の怪が見える弟の僧・呂秀と、見えないが薬や陰陽道に優れている兄の律秀が、協力し合って人と人ならざる者との間の困りごとを解決していく。
連絡短編のカタチなのでどれがということでもないのだが、『白狗山彦』のエピソードが特に良かった。
呂秀の式神となったあきつ鬼がまた、食えない感じで良い。
安倍晴明関係の物語は多いけれど、ともすれば悪者に描かれる芦屋道満の別の描かれ方としても、面白かった。
都の天文生やかえでたちとの交流で、兄弟の生き方も広がった。
続編も楽しみだ。
posted by てまり at 00:00|
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2023年12月18日
夜行奇談
夜行奇談 (角川書店単行本) - 東 亮太
「得体の知れない話」それぞれに、鳥山石燕の妖怪画を充てて「得体」としてみた、という試みの実話怪談。
なるほどこの話にこの絵か、そう来たかという楽しみはあったのだが、
何しろ妖怪画が秀逸なもので、むしろ絵に興味をひかれてしまいました。
そして妖怪という仕組みを充てたことで、話の怖さは半減してしまったよね。
読みやすいので、雰囲気を楽しむにはちょうど良いかもです。
posted by てまり at 00:00|
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2023年12月11日
宙わたる教室
宙わたる教室 [ 伊与原 新 ] - 楽天ブックス
いつも科学や地学の話が興味深い伊与原さんですが、これはとても良かった。
定時制高校の理科教師を中心に立ち上げた、科学部の物語。
様々な障害で学習が困難だったり、学習の機会が無かったりと、事情を抱え環境も年齢も違う生徒が集まる定時制高校。
周知度の低いディレクシアのため、気づかれず苦しんできた岳人の咆哮が胸に刺さる。
物理的なことは大雑把に読み飛ばしましたが、何より生半可ではないそれぞれの困難に向き合いながら科学、ひいては学ぶことへの意欲がわくよう誘う理科教師・藤竹の静かな熱意に、心動かされました。
たとえ始まりは藤竹の「実験」だったとしても、彼自身もわくわくしながら彼らと関わって、科学実験を進めている様子は十分伝わり、そこに高みから眺める者の姿は無い。
学び続けるひとは若いまま。なのだそう。
それは、年齢に関係なく、興味を持って深く考え、試してみることが大事、ということなのかなと思いました。
オポチュニティの轍・・・深く印象に残るひとこと。とても良い読書でした。
posted by てまり at 00:00|
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