2023年02月10日

 髪追い 古道具屋皆塵堂

髪追い 古道具屋 皆塵堂 (講談社文庫) - 輪渡 颯介
髪追い 古道具屋 皆塵堂 (講談社文庫) - 輪渡 颯介

古道具屋皆塵堂シリーズ9作目は、祠に封印されていた箱を茂蔵が開けてしまったことから起こる騒動記。

いわくつきの箱の中身を茂蔵をはじめとする皆塵堂の面々が追っていくのだが、どうやらそれぞれに思惑があるようで・・・ぽかすかやりあったり猫と奮闘したりというだけではない、太一郎や伊平次にこんな一面がと思わせられた1冊でした。
伊平次の素性も何やら訳ありな感じ。続きが楽しみです。
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2019年11月29日

 怪談飯屋古狸

怪談飯屋古狸
怪談飯屋古狸

悶着を起こして奉公先を追い出された虎太が運よく辿りついたのは、絵空事ではない怖い話をすれば、酒と飯が無代になるという一善飯屋、古狸だった。
本当は怖がりなのに、ただ飯と一目ぼれした看板娘・お悌ちゃんに釣られて、怖い思いを買って出ることに。

幽霊が出なくなったのだから成仏したのだろう、めでたしめでたし。では納得できないなぁと思っていたら、続くんですね。新シリーズの開幕でした。
出向く先々できっちり幽霊と出遭える虎太は大当たりだと思われ重宝され、本人も不運を嘆きはするものの、ただ飯はありがたいし、お悌ちゃんには良いところを見せたいしで古狸に居座る始末。

幽霊の登場する決まり事がやや面倒に感じられたけれど、本人も認める阿呆ながら妙に律儀なところのある虎太が憎めないキャラクターなので、この先を楽しみにしたいところ。
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2017年07月30日

 優しき悪霊 溝猫長屋 祠の怪

優しき悪霊 溝猫長屋 祠之怪 -
優しき悪霊 溝猫長屋 祠之怪 -

古くなった手習所・耕研堂の修理を修理する間、新しい店に移転が決まった丸亀屋の元の店を借りる話が持ち上がっていた。
忠次、留吉、新七、銀太の四人は、空き家になっている店に入り込み、またしても幽霊と遭遇してしまう。

3人が順番に、幽霊を見る・聞く・嗅ぐ番にあたり、銀太だけ最後にひとりで全部を経験する、というのも前回と同じパターン。
4人の区別がつきにくいうえ、このシステムになかなか馴染めない・・・のですが。
ひとりだけ貧乏くじを引いて目立つのが銀太だけど、あまりに考えなしだからこのくらいしなきゃとお多恵ちゃんに思われているのかもね。

今回の、蓮十郎と弥之助が謀っての幕引きも手放しでは喜べず・・・
よけいな咎が及ばないようにというのはわかるけど、おっかないねー、蓮十郎先生。
顔を見れば誰にでも小言をたれる大家さんの裏表なさに、どこかホッとします。
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2015年06月16日

 祟り婿 古道具屋 皆塵堂

祟り婿 古道具屋 皆塵堂 -
祟り婿 古道具屋 皆塵堂 -

癖の強いニューフェイス登場。
幽霊の見える太一郎とバチバチやりあってますが、生まれた時から早死にする定めとなれば、多少根性がひね曲るのも致し方のないことかもね。
頑ななまでの連助の信念で、うっかり幽霊沙汰で利用されそうなところを避けられたりと、役に立ってもいます。
それだけ必死だったんでしょう、と思えば哀れでもあり。

そして怖いと言えば、六連屋の番頭ですかね。
災難を背負ってくれるのは他人、我が身は安泰となると、こうも冷酷になれるものか。
息子を贄に差し出した親もまた、人でなしだと思うけど。
やはり人なんですねぇ、怖いのは。

ご隠居・清左衛門の木材談義がおもしろかった。一服の清涼です。
そして今回も店主はほぼ、役立たず。
それで成り立っているのが、皆塵堂のすごいところ。
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2015年02月21日

 ばけたま長屋

ばけたま長屋 -
ばけたま長屋 -

指物師として独立したばかりの弦次は、知らずに幽霊の出る裏長屋に越してしまった。
住人が三五郎ひとりしか居着かなかったその長屋だが、次いで幽霊画を描くために町絵師の朔天が越してくると、幽霊の出る場所探しにかり出される羽目になる。

生真面目な朔天に、何とか本物の幽霊を見せて絵を描かせてやりたいと、三五郎とともに奔走する弦次。
実は幽霊なんぞには関わりたくない怖がりなのだけれど、男たるものへのこだわりが微笑ましく、若さゆえの真っ直ぐなところが気持ちのいい印象。
幽霊は、出ます。そしてその描写はなかなかの怖さでした。
ただし、幽霊の事情を調べては成仏させてしまったり、なぜか兄弟子の縁結び話になってしまったりと本来の目的にはなかなか届かないのだけれど、どのケースも何となく良い結末に落ち付いていきます。
そのあたりが後味の良さに繋がっているんでしょうね。

弦次以外の登場人物も、いずれ劣らぬ個性派ぞろい。
照ちゃんがかわいいねぇ   店番まで勤める十余一も、名脇役。
真っ直ぐで、ちょっと笑えて、楽しめました。
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2014年04月19日

 迎え猫 古道具屋 皆塵堂

迎え猫 古道具屋 皆塵堂 [単行本(ソフトカバー)] / 輪渡 颯介 (著); 講談社 (刊)

シリーズも4作目となれば若干飽きも来る、ということで今回は猫編。

已之助の知り合いを祟りから守って2匹、肝試しの後始末をして1匹、実は助けられていた観音像を拾いにいく代わりに連れ帰ったのが1匹、猫好き老人が亡くなって4匹、影薄い庄三郎を守って1匹と、事あるごとに子猫が舞い込むの段。
太っ腹な鮪助と子猫のかわいらしさに免じて、事件が小粒なのはまあいいとしよう。
それに已之助も夢のひとつが叶ったわけだし。

というぐらい、今回は已之助が活躍でした。
伊平次は皆塵堂の主人なのに、なんだか印象が薄いなぁ
これまでの登場人物が勢ぞろいで和気あいあいもいいけれど、そろそろ転機が欲しいかも。
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2013年06月09日

狐憑きの娘

狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南 [単行本] / 輪渡 颯介 (著); 講談社 (刊)

皆塵堂もシリーズとなって巻を重ねているけれど、そういえばこちらのシリーズもまだ読んでいないのがあったなぁということで、最終巻。
巻を追ううち、地味めだった登場人物それぞれのカラーがはっきりしてきて、愛着がわいてきた。
今回は特に甚十郎。国許では兄弟子に、江戸へ出てきてからは左門に、おもしろがってわざと怖がらせられる。
剣の腕は立つし性格も良いのに、というのが端から見ていると歯がゆくもありちょっかいをかけたくなるところでもあるのだろう。
奇怪なことすなわち幽霊の仕業とふるえてしまうあたり、かなりの重症なのは確か。
でも子供のころの肝試しの話を見れば、そりゃかなりのトラウマになるでしょうとも思える。

そんな甚十郎が、一念発起するのだ。
思いがけなく舞い込んだ縁談、しかも相手は「侍が怖がりでもいい」と言ってくれた弓枝。
狐憑きの噂にも自分なりの答えを見つけ、藩の剣術師範役たるもの怖がりなど克服せねばと奮起する甚十郎の純粋(単純?)さがいかにも彼らしい。
そんな彼を横目に何となく煮え切らない左門に、そういうことかと読み手は思うわけです。
そして結果、甚十郎は顔で笑って心で泣いて。
なにぶん色恋に疎い純な男ですから。きっとこの先、良い縁もあるに違いないよと思いつつ。

甚十郎を怖がらせておもしろがる左門も、子供に向ける目は優しい。
水内のしれっとしたところも、左門とはまた違う味。
それにしても、怖がり甚十郎の原因となった肝試し、あれは怖かったなぁ。
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2013年05月02日

蔵盗み

蔵盗み 古道具屋 皆塵堂 [単行本(ソフトカバー)] / 輪渡 颯介 (著); 講談社 (刊)

訳ありな古道具屋・皆塵堂に今回雇い入れられたのは、窃盗の濡れ衣で橘屋を追われた益治郎。
盗賊と、橘屋への意趣返しの代わりに皆塵堂の土蔵を調べる約束で入りこんだはいいけれど、売れない道具が山積みで蔵にたどり着くことさえできない始末。
しかも次々と幽霊がらみの恐ろしい目に遭い・・・という本編。

釣り三昧の店主をはじめ、これまで皆塵堂に関わった人たちが勢ぞろいなので、シリーズ前巻をすっかり忘れていても楽しめる。
今回、不届きな理由で皆塵堂に関わることになった益治郎だけれど、幽霊に脅かされながらも道具をせっせと売り、峰吉に読み書きを教え・・・と、長年苦労してきたお店者の性はそう簡単には変わらないらしい。
そして、皆塵堂に出入りする面々と関わることによって、いつの間にか益治郎も本当に皆塵堂の一員になっていくわけです。
なかなか凄惨な幽霊も登場するけれど、幽霊の出るところ、人の情あり、業もあり。
おもしろおかしく怖くも、人情味あふれるところが魅力なんだな。

それにしても一番賢いのはやはり、鮪助?
太一郎には気の毒だけれど、ぜひとも毎回鮪助に飛びつかれてほしいなぁ。
シリーズがまだまだ続きますように。
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2011年09月24日

百物語 / 輪渡颯介

百物語 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス) [単行本] / 輪渡 颯介 (著); 講談社 (刊)

兄弟子に頼まれ、嫌々ながら和泉屋が催す百物語の座談会に出席した甚十郎。
いわくつきの幽霊画や奇妙なものを映し出す鏡といった怪しげなものに囲まれながら、これまで経験した怖い話で場を繋いでいたが、百話目が終わると主催した和泉屋が消えてしまっていた。
その裏に隠された事情を左門が解き明かす。

『浪人左門あやかし指南』シリーズ、いわくありげな百物語がぶっそうな話に繋がるの巻。
やたら怖がりというだけで人となりをイメージしにくかった甚十郎に愛着が出てきた。
お人よしというか、人が良いのだね。
左門や藩の上の者からすれば、いじり甲斐のある相手なんだろう。
百物語がらみということで、謎解きという以上に怪談を楽しめた。
大当たりというほどじゃないけど、追いかけてみたい。
甚十郎の怖がりは直るんでしょうかね?
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2011年09月19日

掘割で笑う女 / 輪渡颯介

掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス) [新書] / 輪渡 颯介 (著); 講談社 (刊)

掘割に現れる若い女の幽霊を見た者は命を落とすという噂が流れる中、藩内の騒動で家老が闇討ちされ、闇討ちを仕掛けた者も死んだ。
残したのは「死人に斬られた」という奇妙な言葉。
怪談好きの浪人・平松左門が、謎の裏を探る。

座敷牢の巨大な人間、後をつけてくる土座衛門、幸せ薄い母子の幽霊・・・奇妙な話を聞き集めてはその話の裏をさぐり隙間につけこんで金を稼ぐ、平松左門。
最初ぽつりぽつりと怪話が続くので、これは時代物の怪談話なのかと思っていたら、怪異の裏に人の闇あり。
本格推理と違って話自体がホラやイタズラだったり、本物の幽霊だろうというオチになったりもするけれど、主幹となる掘割の幽霊には政治的な思惑や斬った張ったが絡んで読ませる。
持っている者には遠慮なくたかるひょうひょうとした呑兵衛浪人の左門と、剣の腕は立つのにやたら怖がりな苅谷甚十郎のボケっぷりがいい味。
シリーズ何冊かあるようなので、読んでみようかな。
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