
酒亭DARKNESS (文春e-book) - 恩田 陸
場所も語り手も違う居酒屋の片隅で語られる、程よい怖さの奇妙な話。
よそ者ならではの高揚感と気軽な距離感が心地よく、各地の雰囲気も味わえて楽しかった。
やっぱりいいんだよねぇ、恩田陸の語り口は。
開いた裏口に絡み合う無言の視線がなんとも怖い『曇天の店』、淡い郷愁と取り帰りのつかない怖さの『昭和94年の横丁』が特に好み。
常に形を変え続ける川や風には、様々なものが混ざりやすいのかもしれないね。
横書きは少し読みにくかったけれど、締めくくりの『ムーン・リヴァー』もしみじみと優しく、良かった。

