
シネマコンプレックス -
クリスマスイブのシネコンを舞台にした連作短編集。
みんなに一目置かれる古株のアルバイトから新人、学生、パートの主婦、都落ちの正社員と様々な立場のスタッフがそれぞれに抱える事情や屈託、小さな始まりと終わり。
映画館での仕事が垣間見えるお仕事小説としても楽しめたし、「イブなのにあえて仕事」の不幸感が、一日の終わりには何となくいい感じに向かっていそうな雰囲気で頬が緩みます。
目線を変えることで、お調子者が実は底知れずだったり、嫌われ者にも別の見方があったり。
その人となりが多方面から見えて、駄目なだけの人も嫌なだけの人もいないんだなぁとあたりまえのことを思う。
もちろん最後に一番気になっていたふたりが、ハッピーであろうエンドなのは良かったのだけど、吹っ切れた加藤君の話が好きだったな。

