2025年12月13日

 ジャガー・ワールド

ジャガー・ワールド - 恒川光太郎
ジャガー・ワールド - 恒川光太郎

太陽神を祀る文明世界が舞台の、壮大な物語。

生贄から逃れ戦士となった少年、亡国の神官の娘、密かに生き延びた王の娘らが、繁栄から滅びに向かう国に翻弄されながら賢くしたたかに生き抜くさまは、とてつもなく魅力的でした。
正しさや悪は価値観や立場によって違うけれど、人がより良いと思う方向へ少しずつでも変わっていくものだと信じたいし、その瞬間をこの物語の中にも見ている気がします。
失われたものは戻らなくとも、受け継がれていくものはある、というような。
一時代の終焉と新たな始まりを予感させる、静かな熱量に圧倒されました。
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2025年12月08日

 もつれ星は最果ての夢を見る

もつれ星は最果ての夢を見る - 市川 憂人
もつれ星は最果ての夢を見る - 市川 憂人

必要不可欠なのだろう物理学的要素に少々たじろいでしまいましたが、積み重なる問題に加え、次々と畳みかけるように事件が起き、さらにキャラクターはAIを筆頭に自由で軽妙、引き込まれました。
結末は力業ですね。
でも情緒的でもあり希望の持てる結末で、良かった。
劇画的な要素もあり、楽しめました。
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2025年12月06日

 失われた貌

失われた貌 - 櫻田智也
失われた貌 - 櫻田智也

魞沢シリーズとは趣の異なる、読み応えのある警察小説でした。

捜査という形の謎解きをベースに、それぞれの背景を持つ捜査員たちの個性や掛け合いも鮮やかで、最後まで引き込まれました。
伏線回収の手腕もさることながら、やはり根底に人を慈しむ気持ちが感じられる、その温かさが魅力な気がします。
年度末にいい本が読めたなぁ
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2025年12月03日

 くもをさがす

くもをさがす - 西加奈子
くもをさがす - 西加奈子

あのコロナ禍の最中、外国で命に係わる闘病生活がどれほど大変だったかなんて想像もつかないけれど、西加奈子はボロボロになってもなお、凛としてたくましい。
もちろん、ある程度客観視できるようになってから、人に伝える目的をもって書かれている作品なのだが、人が生きて死んでいくという当たり前のことに真正面から向き合わざるを得ない気持ちになりました。

カナダと日本との国柄の違いは様々あれど、彼女に関わった仕事人たちの自信とユーモアにあふれた姿がまぶしかった。
彼女の人柄ゆえ、ではあるのでしょう。
どう変わっても自分の体を美しいと思う彼女は、命の喜びにあふれていて、私を心から励ましてくれる。
苦しみも恐れも、それと同時に大いなる喜びも、生きていてこそ。
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2025年11月30日

 牢獄学舎の殺人

牢獄学舎の殺人 未完図書委員会の事件簿 (星海社 e-FICTIONS) - 市川憂人
牢獄学舎の殺人 未完図書委員会の事件簿 (星海社 e-FICTIONS) - 市川憂人

作者がミステリ好きなのはよくわかる、なかなか凝った設定のミステリ。

配本師というのは面白そうなのだが、何というか、ややこしかったね。
女子高生の思考回路もなるほどと思えなかったし、ちょっともやもやしました。
posted by てまり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 市川 憂人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする